2019年半ばに電撃的にKTMファクトリーを離れ、LCRホンダで中上の代役を努め、最後にAvintia Ducatiに加入したヨハン・ザルコは、今後の参戦計画について、2021年からPramacでの参戦、将来的にはドヴィツィオーゾのシートを奪ってファクトリーチーム入りの可能性も考えている。

1戦も共にしていないチームから、他チームへの移籍希望を語る危うさ

しかし、Ducatiのバイクに乗り換えてからまだ1戦もしておらず、良い成績が得られるかどうかもわからずの状態で、他チームへの移籍を希望する旨の発言をおおっぴらにしてしまうあたり、ある種の危うさを感じる。

KTM在籍中もバイクに対してダメ出しの言葉が多く、チームへの文句をジャーナリスト相手に口にしていたが、これがAvintiaでも繰り返されるかもしれない。バイクの戦闘力が低かろうが、自分に合ってなかろうが、なんとか乗りこなそうと奮闘するライダーと、自分が契約しているメーカーのバイクの悪口をジャーナリストに吹聴する選手、どちらが好まれるかは明白だろう。

実力がある選手であることは間違いないが、ザルコは7月で30歳になる。Avintiaの次に2021年にPramacに移ったとしても、ファクトリーシートが空くのは2023年からだ。(※基本的にファクトリーライダーの契約は2021年〜2022年)その時点で32歳のザルコにファクトリーチームが扉を開くだろうか。

ヨハン・ザルコ

「もしチャンピオンシップが上手い具合に進んで自信を得ることが出来て、ドヴィツィオーゾがこれ以上現役を続けたくないと思った場合、チャンスがあるでしょう。自分にとって最も合理的な選択はDucatiに残るということで、オフィシャルバイクが提供されているPramacに移籍するという可能性も出てくるでしょうね。とは言え、まずそれにふさわしいかを証明する必要がありますから、最初の数戦がどうなるかでしょう。」