ミシュランはチェコからオーストリアへと移動し、シュピールベルグにあるレッドブル・リンクで2週連続開催されるMotoGPのためサービス拠点の設営を行いました。オーストリア・グランプリとその7日後の今回初開催となるスティリア・グランプリが催されます。

全長4,318mのレッドブル・リンクは、シュタイアーマルク地方の絵画のように美しい山と森の中にありますが、穏やかなのはそこまで。ここはタイヤにとっては選手権開催サーキットの中でも最も要求の厳しいサーキットのひとつに数えられています。

合計10のコーナーのうちには、性格の異なる2つの左ターンと高速の左カーブがありますが、MICHELIN Power Slickが対処しなければならないのは大きなストレスと熱を発生させる7つの右コーナーです。

ミシュランはこれらの厳しい要件に対応すべく、今回特別設計のリアタイヤを用意しています。そのため今シーズン導入したリアタイヤは、ここシュピールベルグでは使用されないことになります。


この特別設計のリアタイヤは、タイのブリーラムでも使用されていますが、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延拡大によって今シーズンのカレンダーが変更されたため、2020年にこのタイヤが使用されるのは、2週連続開催となるシュピールベルグでのみとなります。

このような要求の厳しいコースに対して用意されるMICHELIN Power Slick(ソフト、ミディアム、ハードコンパウンド)は、リアを左右非対称設計ですが、この特異なコースで発生する高温に対処するため右側をよりハードとしています。

フロントタイヤもコンパウンドはソフト、ミディアム、ハードですが、こちらは左右対称設計としており、ブレーキングとコーナリングで最高のグリップを提供し、MotoGP随一の高速コースでライダーに自信をもたらします。

また、ミシュランは2016年のMotoGP復帰以来、レッドブル・リンクで何度か遭遇している雨の可能性も想定しています。そのためMICHELIN Power Rainがソフトコンパウンドとミディアムコンパウンドで用意されています。フロントは左右対称設計とし、リアはスリックタイヤと同様に右側をよりハードにした左右非対称設計となっています。

ミシュランとMotoGPライダーたちは、8月14日金曜日に2回予定されているフリープラクティスから走行を開始します。プラクティスは土曜日にも2回行われ、その後公式予選へと続きます。28周で争われるオーストリア・グランプリは8月16日日曜日、現地時間14.時00分、日本時間21時00分にスタートします。同じく28周で展開される翌週のスティリア・グランプリも、同じスケジュールで8月23日(日曜日)に行われます。

ミシュランモータースポーツ2輪マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「この2週連続開催で、シーズン開幕から6週間で5レースが行われることになるため、レースは確かに速いペースで進んでいます。ただ、リアタイヤの構造を変更する必要があるため今回は少し事情が異なります。シュピールベルグは非常に高速コースで、タイヤは非常に高温となるため、それに対処できるタイヤを用意してライダーたちがリアをコントロールをできるようにしています。ここ数年シュピールベルグでエキサイティングなレースが見られているので、この2レースでも同様の展開となることを願っています。私たちはライダーたちに最高のグリップとパフォーマンスをもたらすタイヤを提供しますし、ライダーがそれをどんなふうに引き出すのかを見るのが待ち遠しい思いです」

(Source: michelin)

(Photo courtesy of michelin)