マルク・マルケスはポルトガルGPでホルヘ・マルティン、ミゲル・オリヴェイラに追突、FIM MotoGPスチュワードパネルは次のラウンドでのダブルロングラップペナルティーをマルケスに課すとしていた。

レプソルホンダチームはこの決定を不服としてMotoGP控訴裁判所に控訴、MotoGP控訴裁判所は最終決定がくだされるまで、マルケスに対するペナルティーの執行を停止していた。これに続いてMotoGP控訴裁判所は、FIM MotoGPスチュワードがマルケスに対して課した次のラウンドでのダブルロングラップペナルティーの適用取り消しを決定した。

[adchord]

MotoGP控訴裁判所は、マルケスがアルゼンチンGPに怪我のため出場出来なかったことを理由として、マルケスに課されてペナルティーは果たされていると判断した。今回の決定によって、マルク・マルケスは次に復帰するラウンドで特段の制裁を受ける必要がなくなった。

マルク・マルケスのミゲル・オリヴェイラへの接触行為は開幕戦のレーススタート直後の無責任なライディングと批判されても仕方ないが、MotoGPスチュワードパネルのペナルティーは、当初アルゼンチンGPに限定したものであった。

マルク・マルケスとレプソルホンダは怪我の内容、ペナルティーの内容も判断した上でアルゼンチンGP欠場を決めたわけだが、この後になってMotoGPスチュワードパネルはペナルティー内容を変更。アルゼンチンGPではなく、「次に参戦するラウンドでのペナルティー適用」を宣言した。

レプソルホンダとマルク・マルケスは、一度決定されたペナルティーが範囲を拡大した形で再度宣言されるというMotoGPスチュワードパネルの判断に対して異論を唱えていたわけで、MotoGP控訴裁判所はこれに対して「ペナルティー発令後の変更、範囲拡大はNG」と判断した形だ。

なお、FIM MotoGPスチュワードパネルは、前回のスペインGPにおいても、ファビオ・クアルタラロへのロングラップペナルティー、ロングラップやり直し、フランチェスコ・バニャイアとジャック・ミラーの接触による、ペッコの1ポジション降格など、不可解な判断が目立っている。ペナルティーの出し方の曖昧さ、一貫性のなさは批判されてしかるべきだろう。

(Photo courtesy of HRC)