2025年MotoGP第9戦イタリアGPに向け、ホンダHRCカストロールチームはジョアン・ミルと中上貴晶のラインアップで挑む。アルガルヴェGPで今季ベストの7位を記録したミルは、ムジェロでさらなる好成績を目指す。一方、中上は負傷離脱中のルカ・マリーニの代役として、ファクトリーチームでの初出走を果たす。
ムジェロ・サーキットはフィレンツェ北方約40kmに位置し、イタリアモータースポーツの聖地として知られる。高速かつ流れるようなレイアウト、長いストレート、そして1コーナーへの激戦が特徴だ。ライダーたちにとって、毎年特別な意味を持つ舞台となっている。
前戦で今季3度目のトップ10入りを果たしたジョアン・ミルは、今季初の好調を持続したい考えだ。プラクティスや予選では安定してトップ10圏内で走行しており、決勝でもトラブルやミスがなければ確実にホンダ勢の先頭を走る力を示している。2021年にはムジェロで3位表彰台を獲得しており、2020年のチャンピオンが再び輝きを見せる準備は整っている。
一方、中上貴晶はホンダHRCテストチームの一員として活動を続けており、今季のル・マンではワイルドカード参戦も果たしている。今回はマリーニの欠場によりファクトリーチームで出走する貴重な機会となる。マシンの開発と自己の実戦感覚の維持を兼ね、重要なレースウィークになる。ムジェロでは2019年に最高峰クラスで5位に入るなど、相性の良さもある。なお、ルカ・マリーニはアルガルヴェGP中に帰国し、現在イタリア国内で回復中。復帰に向けてチームと連携を続けている。
ジョアン・ミル
「今季これまでで一番良かった日曜のレースを経て、ムジェロでさらに良い結果を目指します。ライディングするには素晴らしいサーキットで、接戦になるのは間違いないでしょう。自分たちが強みを出せるポイントもあると思っているし、特に高速進入のストレートでマシンがどう機能するかが鍵になるでしょう。今はスケジュールが詰まっている時期なので、集中してこの流れを継続していきたいです。」
中上貴晶
「まずはルカの回復を心から願っています。そして、ホンダHRCカストロールのファクトリーチームに加わることができて光栄です。この機会を与えてくれたホンダHRCに感謝します。テストチームとはこれまで日本でマシンの将来に向けて取り組んできましたが、今週末はまた違った目的になります。ムジェロはこれまでのレースでも楽しく走れて、良い結果も出せています。チームにどう貢献できるか、そして自分に何ができるかを見ていきたいです。」