バルセロナで左手首の手術を終えたリンス選手はヘレスGPを欠場します。復帰には6〜8週間かかるということなので、ヘレスGPに続き5/21のル・マンGP、6/4のムジェロGP、6/11のカタルーニャGPも欠場する可能性が高いと言えるえしょう。しかし焦っても怪我が治るわけではありませんから、まずはしっかりと体を治すことに集中して欲しいですね。

アレックス・リンスはバルセロナのUniversity Hospital Dexeusで手術を終えた。リンスはアメリカGPが開催されたオースティンでの土曜日のFP3層鋼中に左手首の橈骨、尺骨を脱臼骨折していた。21歳のリンスはまず土曜日にオースティンのユニバーシティ・メディカル・センター・ブラッケンリッジ病院で、整形外科・外傷学を専門とするDoctor Austin Hillによって治療を受けた。そして月曜にバルセロナに戻っていたが、骨折部の炎症が引くまで手術を受ける事が出来ないでいた。

リンスはMotoGP外傷学サービスのトップであるDr. Xavier Mirによって前腕と手首の骨折部分にチタンプレートを挿入する手術を受けている。また誘発電位検査により、転倒の影響で尺骨神経に損傷があることがわかった。この問題については、数週間後に筋電図検査を行い再検査されることになっている。

リンスはバルセロナの同病院で、来週に新たな治療を受ける。なお、リハビリのスタートは術後10日からとなる。医師達は治療プロセスを可能な限り早めようとしている。リンスがレースにいつの段階で復帰出来るかはまだ定かではないが、医師達は6週間から8週間後になるだろうと予想している。

関連した内容として、次回5/7に開催されるヘレスGPには、スズキのテストライダーである31歳の津田拓也がリンスの代役として出場し、月曜の公式テストにも参加する。これは彼にとっては最高峰クラスでの初めてのレースの機会となる。津田はチームスズキECSTARのテストライダーで、全日本ロードレース選手権に参戦、鈴鹿8時間耐久レースに複数回出場している。津田は昨年12月に行われたヘレスのテストにアンドレア・イアンノーネと共に参加している。

MotoGP外傷学サービス Dr. Xavier Mir

「アレックス・リンスは左手首の橈骨、尺骨を脱臼骨折の手術を受けました。観血的整復と2つのチタンプレートを使用した内固定を施しました。さらに、昨日は誘発電位検査も行っており、打撲によって尺骨神経に損傷があることが確認されました。10日以内に手首と前腕の機能回復に向けたリハビリを開始します。また尺骨神経の回復具合を確認するために筋電図検査も行ないます。」

ダヴィデ・ブリビオ

「アレックスの手術が無事に終わって良かったですね。これが最も重要なことです。これから彼はリハビリを始めるわけですが、我々は彼が100%の体調になって帰ってくるのを待ち望んでいます。彼が我々のGSX-RRをライディングするのを楽しみにしていますし、そうして彼も彼の中に秘めた才能を示す事が出来るでしょう。ただ残念ながら彼の代役を立てる必要があり、ヘレスでは我々のテストライダーである津田拓也に彼のバイクに乗ってもらうことにしました。これは彼にとっては最高峰クラスでの初めての経験となります。我々はこの機会を、バイクのさらなる開発に役立てたいと思っています。リンスが良い形で早期回復することを祈っています。彼の復帰を待っていますが、それまでは彼が戻って来た時に最高のバイクを用意出来るようにしたいと思います。」

アレックス・リンス

「Dr. Mirの話によると手術を非常に上手くいったようです。先週の土曜日にオースティンで転倒してから、彼のケアと心配りに、そして彼のチームが病院内でしてくれたケアに個人的に感謝したいと思います。ソーシャルメディア上で受け取ったメッセージは非常に勇気づけられるものでした。またチームスズキの全てのメンバーの優しさにも感謝しています。エネルギーを与えてもらえますし、すぐにリハビリを始めて、出来る限り速い段階でチャンピオンシップに復帰したいと思います。」

(Photo courtesy of suzuki racing)

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