2020年のスーバーバイク世界選手権における、スポーティングレギュレーションとテクニカルレギュレーションが改定される。一番大きな変更はウイングレットに関する規定がアップデートされたことだろう。来年WSBKデビューとなるホンダのCBR1000RR-Rは、パテント登録されていたように電子制御式の内蔵ウイングレットを搭載する可能性があったが、今回のレギュレーション改正は間違いなくCBR1000RR-Rをターゲットにしたものと言える。

CBR1000RR-R SP

ウイングレットは稼働しても良いが可動域は限定される

新しいテクニカルレギュレーションによると、ウイングレットについてはホモロゲーションモデルとWSBK参戦マシンが同一の機構であり、かつ同一の可動域であるのであれば使用が許可される。つまりレギュレーション上は、ストレートでは空気抵抗を減らし、ブレーキング、コーナリングではダウンフォースを増加、ヘアピンからの立ち上がりなどではウイリーを抑制する形でウイングレットを活用するなど、走行シーンによってウイングの角度を変更することが可能なようだ。

しかし市販マシンでこうした機構を搭載するとなると、機構が複雑化し、重量増、価格増になるのは避けられない。なお、EICMAで発表されたCBR1000RR-Rは固定式のウイングレットを搭載している。

スポーティングレギュレーション

最終ラップでのトラックリミットの超過
最終ラップにおけるトラックリミットの超過は順位に影響を与える可能性がある。当該のライダーがトラックリミットを超えて走行したことで明らかな不利益を被っていない場合、FIMスチュワードパネルは順位降格、もしくはタイムペナルティーを与えることが可能。

オレンジディスク旗
EWC(世界耐久選手権)とGP(グランプリレース)と規則を揃えるため、オレンジディスク旗を提示されたライダーはピットインする必要があり、オフィシャルが承認するまではレースに復帰出来ない。

ヘルメット
全てのサーキットでFIMが設定した新基準を満たすヘルメットを使用する必要がある。この規定は2020年からもスーパースポーツクラスのライダー達に適用される。

金属を含むスライダーの禁止
ある一定数のライダー達はメタルスタッズの入ったニースライダーを使用している。しかし、スライダーで発生する火花が後続のライダーの集中を削ぐ可能性があることから、路面との接触時に他のライダーの集中を妨げる可能性のある視覚的な影響を及ぼすニースライダーの使用は禁止とする。

CBR1000RR-R SP

テクニカルレギュレーション

ウイング、エアロダイナミクス付加物
アクティブ、もしくはダイナミックエアロダイナミクスパーツは、ホモロゲーション(認証)を受けたモデルと同一の機構のみが許可される。可動域も通常使用の範囲で同一でなければならない。

(Source: wsbk)

(Photo courtesy of Honda)