MotoGPにおける新しい技術はDucatiがパドックに持ち込むことが多いが、リアライドハイトデバイス(リア・サスペンションの高さはスタート時以外にもアクティブに可変させる仕組み)も、その一例だ。

コーナー脱出時に作動させることでウイリーを抑制し、スムーズに加速することを目指した機構で、Ducatiの背後を走行した他メーカーのライダーは、口々にその性能の高さを語っている。[adchord]
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今年タイトル防衛に失敗したスズキのジョアン・ミルは、シーズン中盤までスズキにこのデバイスがなかったことで苦戦を強いられたと何度かインタビューで語っており、現時点ではホンダ、ヤマハに続いてスズキもこのシステムを導入しているものの、その完成度はDucatiには及んでいないという見方が強い。

あくまで噂レベルの粋を出ないものの、日本メーカーはこのリアハイトデバイスの制限を求めているとされており、先月ミサノで開催されたレースの背後ではMSMA(モーターサイクルスポーツ製造者協会)による話し合いが行われていたとされる。最高峰クラスでのレースにおいて、市販車への技術転用、技術開発がメーカーの目的の1つである事は間違いないが、市販車に技術転用が難しいライドハイトデバイスに関して、コスト増、複雑さが増すことについて、なんらか制限の意見が出ることは不思議ではない。

エミリア・ロマーニャGP 初日総合1位ジャック・ミラー「タイヤに熱を入れるのに苦戦した」今のところ何かしらの動き、発表などはないため、リアライドハイトデバイスの扱いが2022年以降どうなるかは不明だが、なんらかの規制が設けられることになる可能性はゼロではなさそうだ。