スズキのリンスは今年も各レースでスピードを発揮しながら、転倒してポイントを逃すシーンが目立ったシーズンとなった。リタイアが続いたレースの中では失望感、プレッシャーなどを感じ、その状況にチームと共に立ち向かっていったと語る。来年はよりノーマルな世界で、リンス自体も安定感あるシーズンとしたいところ。サンマリノGP予選9位アレックス・リンス「ドライなら戦うことが出来る」
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今年はトリッキーなシーズンだった

アレックス・リンス

「2021年も、もうすぐ終わりですね。今年のレースは終わり、ヘレスでのテストも終了しています。その後ミラノショーを訪れました。今は完全に家族と共に時間を楽しんでいます。今年を振り返るとあっという間だったように思えますが、同時にとても長く、トリッキーなシーズンでもありました。転倒や4戦連続リタイアなど忘れたいレースもあります。どのレースでも自分の最大限の力を発揮していたのに転倒が続いてしまったので残念でしたね。」

「しかし、これらは完全に悪いことだとは思っていません。実際には苦労から多くを学び、失望やプレッシャーに対処しなければならなかったことで、そこから学んだとも言えるからです。チームの皆と協力し、クルーに支えられていることを実感しました。」
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「目標はより安定した成績を残すことでしたが、それを実現するためにどうすればいいか、みんなで協力して考えました。来シーズンは学習したことをすべて出し切り、成果につなげたいと考えています。正直なところモチベーションはこれまでと変わらず高く、最大限のトレーニングを続けていくつもりです。」

「 昨年は、自宅でのトレーニングを大きく前進させることが出来たと思います。レース後は少し疲れましたが、全般的に回復が早く、ハードなレースの後でも力強さを感じていました。これからもハードなトレーニングを続けていくつもりです。」

「2021年型GSX-RRが好調なのは確かですが、さらに改善しなければならないのは確かです。MotoGPでは常に改善が求められるのは当たり前のことで、今後は空力面とエンジン面に取り組んでいければと思います。」

「シャーシはスズキが改善を得意としている部分であり、コーナースピードや旋回性に役立ちますが、エンジンと空力も非常に重要で、今年はそれが少し足りていなかったように思います。ですから、プレシーズンの間に進化出来ているか来年確認したいと思っています。」
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「来年は2月にすぐマレーシアで走行がありますが、今のところヘレスで2022年型を一度試しています。2022年は強いマシンが出来ると感じていますし、リラックスする時間はあまりないですね。10日くらいはトレーニングを休んで他のことを楽しんでおきたいと思っています。」

「この時期のアンドラは自然が沢山で楽しめるんですよ。スノーボードやスキーをして楽しみたいですね。それにこの冬はルーカスと過ごす時間もありますからね。彼もものすごい勢いで成長しています。今シーズンはシルバーストーンでの表彰台 、最後の数レースは良い形で走れましたし、良い思い出も沢山あります。バレンシアがパドックがファンで埋まって昔のようで感動しましたね。」

「あれだけ人がいるとパドック内でのスクーターの移動がしずらいものですが、自分と写真を取ろうとしてくれる人がいること、サインを求められることは最高に嬉しいですね。グランドスタンドからファンが応援してくれるのは本当に最高で元気をもらいます。特にチェッカーフラッグを受けてファンに手を振る瞬間が最高なんです。」

「2022年はよりノーマルな世界でレースが出来ればと思いますし、皆でレースを楽しみたいですね。来年の目標はあるんですが、僕は迷信深いのでそれを誰かに伝えることはしません(笑)」
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(Source: suzuki-racing)

(Photo courtesy of michelin)