FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)でチャンピオンになったあと、2008年からMotoGPに参戦。2010年には再びFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)に舞い戻ったジェームス・トスランドは、2つの世界を見たライダーとして、噂に何度か上がっているトプラック・ラズガットリオグルのMotoGP参戦は時間の無駄だと語る。
今まで以上にどのバイクでも表彰台を狙える状況にも関わらず、経験豊富なドヴィツィオーゾがここまで苦戦している状況、トプラック・ラズガットリオグルの年齢も考えると、MotoGPへの参戦は現実的ではないという判断のようだ。[adchord]
トプラックがいきなりドヴィツィオーゾを超える成績を残せるだろうか?
ジェームス・トスランド
「FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)で走るトップ3名の選手であれば、MotoGPに参戦してバイクを限界域で走行させることがでしょう。しかし問題は未だにサテライトチームとファクトリーチームには明確な差があることなんです。」
「自分がMotoGPに参戦していた時代は、サテライトバイクに乗っている限り、絶対に倒せないバイクが6台はいました。予選で死ぬ気で走れば接近は出来ましたけど、レースがスタートするとエンジンが速くて優れたテクノロジーのバイクには敵いませんでした。」
「現在のMotoGPではかつて無いほどにどのバイクでも表彰台を狙える可能性があると思います。MotoGPの歴史が始まって以来こういったことは過去なかったんじゃないかと思いますね。例えばダリン・ビンダー、アンドレア・ドヴィツィオーゾが苦戦を続けていますが、実際には彼らはポールポジションのタイムからさほど離されていないわけです。」
「トプラック・ラズガットリオグルの状況を考えると、ミシュランタイヤの経験がない状況でMotoGPに参戦して、アンドレア・ドヴィツィオーゾを超える成績をすぐに残せるでしょうか?そしてドヴィツィオーゾを超えられないとなると、順位は12位どころではなく最後尾です。」
「年齢のことも考える必要があります。もし2年間サテライトチームで走って経験を積んだとして、トプラックは30代目前です。Moto3からは若手がどんどん上のクラスに上がってきますし、MotoGPに参戦したとして、そこで数年後の状況をしっかり考える必要があります。」
「今の状況を投げ売って経験ゼロの状況でサテライトヤマハチームから参戦し、最後尾で走るリスクを負うとすると、彼がMotoGPに参戦するのは時間の無駄でしょう。」
「それにトプラックはスーパーバイクで世界チャンピオンになっており、どのレースでも優勝の可能性があります。それに彼が稼いでいる金額を考えると、サテライトチームで走るより、いかなるMotoGPで走るよりも稼いでいる状況があると思います。」
(Photo courtesy of Yamaha)