
マルティンが負傷を越えて復活勝利
2025年の度重なる負傷、長いリハビリ、そして再び頂点に立てるか分からない不安。そのすべてを乗り越え、ホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)がついに帰ってきた。2026年フランスGP決勝、マルティンは終盤にチームメイトのマルコ・ベッツェッキを追い詰め、鮮やかなオーバーテイクで逆転勝利。2024年インドネシアGP以来となる優勝を、圧巻の走りで手にした。
アプリリア勢がル・マンで表彰台独占
ル・マンはアプリリアにとって歴史的な一日となった。ベッツェッキが2位、小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)が3位に入り、RS-GP勢が表彰台を独占。さらに小椋はMotoGPクラス初表彰台を獲得し、日本人ライダーとしては2012年以来となるMotoGP表彰台フィニッシュを達成した。
序盤はベッツェッキが主導権
レース序盤はベッツェッキが主導権を握った。フロントローから最高のスタートを決めると、ターン3でトップへ浮上。地元ファンの大歓声を受けたファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が2番手につけ、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)と激しく競り合った。一方、ポールポジションのフランチェスコ・バニャイアは出遅れて4番手へ後退。それでもペースは速く、5周目にはクアルタラロを抜いて3番手へ上がると、ファステストラップを記録して先頭争いへ加わっていった。
バニャイア転倒で勝負の流れが一変
その後、バニャイアはアコスタを攻略して2番手へ浮上。ベッツェッキとの差を縮め始めたが、その後方ではマルティンも着実に前進していた。ディ・ジャンアントニオとの激しいバトルを制してトップグループへ迫ると、レース中盤には先頭勢と同等のペースを刻み始める。まだ1秒以上の差はあったものの、マルティンの速さは明らかだった。
そして27周中16周目、流れを変える決定的な場面が訪れる。2番手を走行していたバニャイアがターン3進入でフロントを失い転倒。優勝争いの有力候補が姿を消したことで、マルティンが一気に優勝候補へ浮上。18周目にはアコスタを攻略して2番手へ上がり、ここからはアプリリア同士による直接対決となった。
終盤の直接対決を制したマルティン
ベッツェッキは懸命に逃げたが、マルティンのペースは圧倒的。1.5秒差からじわじわとギャップを削り取り、残り4周でついに背後へ到達。そして残り3周、ターン3で勝負を決める。マルティンがインへ飛び込み、完璧なオーバーテイクを成功させた。ベッツェッキには反撃する余力はなく、マルティンはそのままリードを拡大。最終ラップもミスなくまとめ、トップチェッカーを受けた。
小椋藍がMotoGP初表彰台
一方、その背後では小椋藍が驚異的な追い上げを見せていた。終盤に入ると一気にペースを上げ、アコスタを攻略して3番手へ浮上。さらにベッツェッキをも射程圏に捉え、最終ラップには0.5秒差まで迫った。惜しくも2位には届かなかったものの、MotoGPで初表彰台という快挙を達成。日本人として14年ぶりとなるMotoGP表彰台獲得を成し遂げた。
完璧な結果となったアプリリアの1-2-3
ベッツェッキは最後まで小椋のプレッシャーに耐えて2位を確保したが、ランキング首位との差はわずか1ポイントへ縮小。それでもアプリリアにとっては1-2-3フィニッシュという完璧な結果となった。4位は最終ラップでアコスタを逆転したファビオ・ディ・ジャンアントニオ。アコスタは5位、クアルタラロは母国GPで6位を獲得した。以下、エネア・バスティアニーニ、ラウル・フェルナンデス、フェルミン・アルデゲル、ルカ・マリーニがトップ10入り。ヨハン・ザルコは1周目の接触でポジションを落とし11位に終わった。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近DucatiモンスターS4Rに乗り換えました。