アプリリアは2018年のチーム体制発表を行い、今年のカラーリングに身をまとったRS-GPを披露しました。カラーリングはほぼ同じですが、中身に関してはフレームも含めて色々とアップデートされているとのこと。

アプリリアは今までになく強固な体制でMotoGP世界選手権に挑みます。2017年にNoaleにあるアプリリアのレーシング部門では、継続的に若きRS-GPプロジェクトをコンスタントに成長させました。今年のアプリリアのマシンもまた、アルド・ドルディの手によってデザインされ、2018年に向けてあらゆる部分が改善されました。

アプリリアにとって昨年の終盤がターニングポイントとなりました。アレイシ・エスパルガロはアラゴンで6位獲得、これは優勝ライダーから6秒以内の差であり、日本では予選4位、オーストラリアでは初日の練習走行で最高のタイムを記録するなど、計画な進歩が見て取れました。しかしアレイシ・エスパルガロはフィリップアイランドにおいてリードグループでのバトルの中で怪我を負う形となりました。

2018年はアプリリアはこの昨シーズン終盤からの戦いを再現することを狙っています。バイクは先代のバイクから基本的な構造を引き継いでいますが、あらゆる面において洗練されており、非常にモチベーションに溢れた2人のライダーがいます。この2人にはトップで戦うための全てが供給されることとなります。なお、今年はアレイシ・エスパルガロのチームメイトに、1993年生まれのスコット・レディングが加わります。彼はMotoGP5年目となり、始めてのファクトリーチームとなります。

アプリリアレーシングはRS-GPのあらゆる部分を改良しました。新型のフレームは重心位置を変更。重量配分を変更した事が、最新のMotoGPバイクのダイナミックなパフォーマンスを定義付ける意味で最も重要なものだと言えるでしょう。エアボックスとエキゾーストもまた新品で、非常にスリムなV4エンジンのパフォーマンスを最適化しています。シャーシ構造も新しいサスペンションを使用することで大きく変わり、カーボンスイングアームはシーズン中に更なる回改良が予定されています。

プレシーズンの中で、こうした技術的な詳細が決まっていきました。開発の方向性はしっかりと決まり、最も勝利数が多いレーシング部門の経験がこれから引き出されていきます。アプリリアは全ての排気量のクラスで54の世界タイトルを保持しており、2018年3月18日にカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットにて開幕する世界選手権の最高峰クラスでも同じパフォーマンスの再現に向けて高いモチベーションを持っています。

ピアジオグループCEO Roberto Colaninno

「アプリリアレーシングが行っている挑戦は、我々のような世界中の市場に日々接している大きなグループ企業からすると非常にエキサイティングな挑戦です。これは最新技術の挑戦ですからね。若き才能あるエンジニア、メンバーからなるレーシング部門から最新の技術が生まれているのを間近で目にできるというのは、たいへん光栄なことです。ピアジオグループもそこから恩恵を受けているわけですが、アプリリアレーシングが持つ最も洗練された研究、実験のためのプラットフォームというのは、イタリアの卓越した技術の資産と言えるでしょう。アルベシアーノと彼のスタッフの素晴らしい活躍を願っています。彼らはこの素晴らしい仕事を結果に結びつける必用があります。厳しいシーズンになります。強力なライバルがいますが、アプリリアは昨シーズンの終わりにお見せしたように、成功に必用なものは全て手元にある状態なのです。」

アプリリアレーシングマネージャー ロマーノ・アルベシアーノ

「2018年のRS-GPはあらゆる面で最適化され、昨年のバイクの進化版となります。フレームは完全な新作で、エアボックスもそうです。冷却システムとエアロダイナミクスに関しても新しくなりました。このバイクでのポジティブな結果はウインターテストの中で披露されました。両ライダー共にすぐにこのバイクの進化を感じとりました。こうした大幅な変更を加えた後に、こうした反応というのはなかなか得られないんです。しかしこれは今年のMotoGPのシーズンに向けて楽観的な材料です。今年はさらに厳しいシーズンになると考えています。バイク、そしてグリッドに立つライダー達のレベルもこれまでになく上がっています。メーカーの側としてはトップを狙うために全てを揃えたと言えます。」

アレイシ・エスパルガロ

「昨年はいくつかの素晴らしいレースが出来ました。最終的な年間ランキングに影響を及ぼしたのはいくつかのミスでした。2018年に向けて素晴らしい自信を持っていますし、チームも良い形で機能していて、新型RS-GPの開発の方向も正しいと思います。全てのライバルも強力になっていて、MotoGPは本当に最高のレベルのチャンピオンシップだと感じますが、アプリリアもトップに近づけると思います。自分は楽観的な人間です。この新しいシーズンに向けてしっかりと準備をしてきましたし、自分達の方向性を信じています。」

スコット・レディング

「今年は自分にとってファクトリーライダー1年目となり、今までのところ非常にポジティブな感覚を得ていると言えるでしょう。自分をしっかりとサポートしてくれるチーム、ワークスがバイクをさらに良くしようとしてくれるのは、本当に大きなモチベーションなります。走行のたびに少しづつ改善を進めることが出来ていて、時にはギャンブルに思えるような実験をしますが、常に明確なゴールを持って進めています。現時点で予想するのは難しいですが、現時点ではRS-GPへの適応作業と開発を同時に進めています。いずれにせよポジティブですし、先日のカタールテストのおかげもあって更に前進することが出来ました。トップとの差は詰まっていますし、良い形で開幕戦を迎える事が出来ると考えています。」

2018年型RS-GP 主要諸元

エンジン:狭角V4エンジン、ボア径81mm、逆回転クランクシャフト、ニューマチックバルブ
最高出力:270馬力
エレクトロニクス:Magneti Marelli ECU、Dornaソフトウェア
ギアボックス:シームレスギアボックス、6速カセットタイプ
潤滑システム:ドライサンプ
フレーム:アルミニウム
スイングアーム:カーボン
サスペンション:フロントÖhlins TSB46、リアÖhlins TRSP44
ブレーキシステム:ブレンボダブルカーボンディスク320-340mm、リアシングルスチールディスク255m
タイヤ:ミシュラン

(Photo courtesy of aprilia)

<アプリリア プレスリリース>