新型デザートX登場 新開発V2エンジンとモノコックフレームでオフロード性能を大幅強化

ドゥカティは2026年2月25日、オンラインイベント「Ducati World Première 2026」において、第2世代となる新型DesertX(デザートX)を発表した。21インチフロントホイールを備えた本格アドベンチャーモデルとして高い評価を受けた初代モデルの思想を継承しつつ、新型V2エンジンとモノコックフレームを中心に全面的な再設計が行われている。

初代モデルから続く開発の背景

DesertXは2019年のEICMAでコンセプトモデルとして公開され、2021年に市販化。マキシエンデューロやアドベンチャーツーリング愛好者から高い支持を得てきた。第2世代モデルは、Erzbergrodeo、ラリー・オブ・アルバニア、Transanatolia、そしてNORRA Mexican 1000 Rallyの1500kmに及ぶ砂漠走行など、過酷な環境で得られた経験とフィードバックを基に開発された。

開発の目的は、ドゥカティらしい走る楽しさを維持しながら、オフロード性能をさらに高めること。その結果、デザインからシャシー、エンジン、電子制御まで完全刷新された新型モデルが誕生した。新型サスペンション、より軽量でエルゴノミクスを改善した燃料タンクなどにより、日常走行からロードツーリング、ハードなオフロードまで幅広いシーンで高いパフォーマンスを発揮する。

新開発890cc Ducati V2エンジン

エンジンには新開発の890cc Ducati V2を採用。ドゥカティ史上最軽量の4バルブVツインで、セグメント唯一のIVT可変インテークバルブタイミングを備える。最大出力110hp、最大トルク92Nmを発生し、3000rpm時点で最大トルクの70%を発揮する特性により、コーナー立ち上がりや低速域でのレスポンスと加速性能を向上させている。

オフロードを意識した専用ギア比とメンテナンス性

DesertX専用に設定されたギア比により、1速から4速は障害物を越えるためのショート設定、6速は高速巡航時の燃費と快適性を重視したロング設定となっている。メンテナンス面では、バルブクリアランス点検は4万5000kmごと、オイル交換は1万5000kmまたは2年ごととされ、クラス最高水準の整備間隔を実現している。

モノコックフレームによる高剛性シャシー

フレームには、このカテゴリーでは珍しいモノコック構造を採用。エンジンを構造体として利用すると同時にエアボックスの役割も兼ねる設計で、コンパクト化と高剛性化を両立し、優れたハンドリングと直感的な操作性を実現した。エアボックスの配置変更によりエアフィルターへのアクセスも向上し、オフロード走行後の清掃が容易になっている。

リアにはドゥカティ伝統のトレリスフレームを採用。整備性を考慮した設計で、エンジン周辺へのアクセス性を高めている。アルミ製スイングアームはDesertX専用設計で、高い強度を確保した。

オンロードとオフロードを両立するブレーキ性能

ブレーキシステムはブレンボ製M4.32モノブロックキャリパーと305mmディスクを採用。専用パッドと新設計レバーにより、オフロードでのコントロール性を高めつつオンロードでの制動力も確保している。この新システムにより、追加キットなしでハイマウントフロントフェンダーの装着も可能となった。

新型サスペンションと足回り

リアサスペンションにはFull-floaterプログレッシブリンクを採用。初期ストロークでは柔らかく、荷重が増えるにつれてサポートが強くなる特性により、快適性とオフロード性能を両立している。フロントにはKYB製46mm倒立フォークを採用し、左右独立の油圧調整機構により細かなセッティングが可能となった。

ホイールはフロント21インチ、リア18インチのチューブレススポークホイール。標準タイヤはPirelli Scorpion Rally Street(90/90、150/70)を装着する。DesertXはトリプルホモロゲーションを備え、Pirelli Scorpionシリーズの他モデルへの変更も可能だ。

オフロード志向のライディングポジション

ライディングポジションはオフロード志向の設計で、ワイドハンドルとスリムな車体を採用。フットペグを後方へ、シートとハンドルを前方へ移動させた新しいエルゴノミクスにより、ロードでのスポーツ走行とオフロードでのコントロール性を向上させた。

新型18リットルポリマー燃料タンクは軽量かつスリム化され、低重心化によってハンドリングを改善。クラッシュパッドを装備し、オフロードでの転倒にも耐える構造となっている。

最新電子制御システムとライディングモード

電子制御面では6軸IMUをベースとした最新システムを採用。Cornering ABS、Ducati Traction Control、Ducati Wheelie Control、Engine Brake Controlをリアルタイム制御する。Riding ModeはSport、Touring、Urban、Wet、Enduro、Rallyの6種類を搭載し、それぞれのモードで電子制御設定が最適化される。

TFTディスプレイとラリーモード

5インチTFTディスプレイにはRoad、Road Pro、Rallyの3種類の表示モードを搭載。Rallyモードではトリップマスター機能を備え、ナビゲーション用途にも対応する。

4段階Cornering ABSとオフロード設定

Cornering ABSは4段階設定。レベル1と2はオフロード用で、レベル1は熟練ライダー向け、レベル2は初心者向け。レベル3と4はオンロード用として安全性を重視した設定となる。EnduroおよびRallyモードではABSの完全オフも可能だ。新型Ducati Quick Shift 2.0は外部センサーを持たない構造で、泥や衝撃に強く、より正確でスムーズなシフトチェンジを実現する。

機能美を追求した新デザイン

デザインは機能美を重視したモダンで軽量なオフロードスタイル。フロントは従来より20mm低くなり、よりダイナミックな印象を与える。フェアリング形状やライトデザインは先代のコンセプトを継承しつつ、より現代的に再構築された。

リアはミニマルでテクニカルなデザインとし、補助燃料タンク、パッセンジャーグラブレール、パニアフレームなどのアクセサリー装着に対応。プログレッシブリンク式リアサスペンションなど、主要メカニズムをあえて見せる設計となっている。

Ducati Performanceアクセサリー

Ducati Performanceアクセサリーとして、8リットル容量のリア補助タンク、ラジエーターガード、ブルバー、大型スクリーン、強化ハンドガードなどを用意。アルミパニアや、Mosko Motoと共同開発したソフトバッグもラインアップされる。

コネクティビティとオプション装備

電子装備としてはDucati Multimedia System(DMS)によるスマートフォン接続、ターンバイターンナビゲーションにも対応。Termignoniと共同開発したチタン&カーボン製サイレンサーもオプション設定される。

発売時期と展開予定

新型DesertXは2026年4月に欧州で発売され、5月にアメリカ、6月にオーストラリアと日本へ展開予定。A2免許向けの35kW仕様も用意される。