昨年に続き、今年もMotoGPクラスにタイヤを供給するミシュランは、今週末はフロントとリアに3種類ずつのタイヤを持ち込みます。レインタイヤも2種類ずつ持ち込まれますが、ウェットコンディションでレースを開催するかどうかは今のところ未定です。

ミシュランは3月19日に開催される2018年のMotoGP世界選手権開幕戦の舞台、カタールのドーハ近くにあるロサイル・インターナショナル・サーキットに向かいます。カタール戦は夜中にレースが行われる唯一のレースですが、今年のレースは複雑さが増します。いくつかのセッションは午後に行われる中、予選やレースなどは夜中に明るいライトの下で行われるのです。5,380mのカタールは6つの左コーナー、10の右コーナーがあり、これが色々な課題となります。

特にタイヤにとってはトラック表面の粗さが課題となります。これは周囲の砂漠から吹き付ける砂によるものです。また昼夜のトラック温度の違いも関連しており、これによってミシュランと24名のライダー達にとっては、ロサイルで開催された3日間のテストは非常に重要なものでした。

ミシュランの技術者によって収集された情報によって、タイヤのコンパウンドの微調整が行われました。このタイヤはセパン、ブリーラム、そしてカタールでテストされたものです。これによって、ミシュランは来たるべきシーズンに新しいアプローチを取る事が出来ました。ドルナによって発表があったように、全てのタイヤとコンパウンドが毎戦使用可能となり、これはライダーとチームがさらにタイヤのアロケーションに関する知識を深め、レースに先立ってタイヤ戦略を立てる事を容易にします。

ミシュランのカタールGPに向けてのアロケーションは、MICHELIN Power Slickのソフト、ミディアム、ハードをフロントとリアに用意するというものです。リアタイヤは全て非対称デザインとし、タイヤ右側がより固くなっています。これによってタイヤ右側のストレス耐性が向上しています。これらのタイヤはタイヤのサイドウォールのカラーで識別が可能です。

ホワイトがソフト、ノーバンドがミディアム、イエローがハードタイヤです。ウインターテストの中ではトラックを人工的にウェットコンディションとしたテストも行われましたが、これを受けてセーフティーコミッションが雨天のレース開催を決定した場合、MICHELIN Power Rainも準備されます。タイヤはブルーバンドのソフトか、ノーバンドのミディアムの2種類で、それぞれフロント、リア共に同様です。またレインタイヤも左右非対称デザインとなります。これは今年のMICHELIN Power Rainの特色だと言えるでしょう。

ミシュランと24名の強力なライダー達は金曜の午後から最初のセッションを開始します。土曜日にはさらなる練習走行と予選が人工的な明るさの中で行われます。決勝レースは18日日曜日の現地時間19時にスタート。決勝レースの周回数は22周です。

ミシュラン・モータースポーツ 2 輪マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「ここカタールの前に3回のプレシーズンテストがありました。セパンからは新しいフロントタイヤを2種類テストしましたが、これはライダー達からも好評でした。そのためこのタイヤを今シーズン使用することになったんです。またタイで得られた結果に関しても満足しています。あそこはミシュランは初めてのトラックだったんですが、結果は非常に良く、トラックに関してどの程度過酷なのか、ああいった状況ではどのタイヤが使用出来るのか、色々と何が必要なのかといった情報を得ることが出来ました。ただモンスーンの季節でしたから、状況はかなり違うかもしれませんけどね。」

「1つシーズン開幕前に完了したこととしては、ドルナに各サーキットでどのようなタイヤアロケーションとなるのかという情報を提出したことです。これによってチームとライダー達は全てのレースに向けて準備がしっかりと出来る状態になりました。彼らは前もってタイヤの情報がわかるため、各セッションの開始前にプランを検討することが出来ます。ミシュランが最も大切にしていることは安全とパフォーマンスです。ですから天気の変化、トラックの変更などがあった場合は、状況を注視して判断を下します。しかし、これも全てのメーカーに対してこうした説明を行った後に行います。

「開幕戦に関してはロサイルのトラック表面は非常に滑りやすいため、それに対応するためのタイヤをいくつか持ってきました。プレシーズンの3日間では昼夜のコンディションの変化について多くを学ぶ事が出来ました。今回はあらゆる状況に対応出来るタイヤを持ち込んでいると思います。Moto2とMoto3クラスの走行もありますから、グリップは悪くないでしょう。またレースが開始することが嬉しいですし、素晴らしい開幕戦となることを願っています。」


(Photo courtesy of michelin)

<ミシュラン プレスリリース>