アルゼンチンGP後に行われた、ロッシに対するジャーナリストの囲み取材の内容をお届けします。このマルケスに対する糾弾会見の中で、ロッシはマルケスについて「意図的に転ばせようとして突っ込んできた」、「マルケスの走りはアグレッシブなんじゃなくてダーティー」、「謝罪はそもそもする気がなかった」と痛烈に非難。レースディレクションによる追加制裁を求めるとしています。
Q
「まず、体の調子はいかがですか?2つ目に接触についてどう思うか、3つ目に今回の内容を受けてマルク・マルケスとの関係性についてどうなるのかといった点をお聞かせください。」
バレンティーノ・ロッシ
「マルケスとの関係は重要ではありません。体は大丈夫です。今は非常にまずい状態だと思いますね。マルケスはこのスポーツを破壊しています。彼はライバルのことをリスペクトしていません。今までもね。今週起きたことを考えると、1対1の衝突という事は有りえます。ブレーキングをミスした事で別の選手の接触するというのは、あくまでもレースですからそういう事は有りえます。ただ彼の場合、こうした危険な走行を金曜からしていて、ビニャーレス、ドヴィツィオーゾに対して、自分に対してしたような危険な走行をしていました。土曜の朝もそうでしたし。そして今日のレースの中で、彼は他のライダーに対してコーナーの中で、まっすぐに突っ込んでいきました。あれは完全に故意の接触であってミスではないでしょう。彼は接触する際に膝を突き出していました。あれは彼自身は転倒することはないとわかっていたからです。ただ、突っ込まれたライダーは転倒してしまいますし、彼は相手が転倒することを望んでいたんでしょう。」
「こうしたレースになってしまうと、レースが非常に危険なものになってしまうんです。もし全てのライダー達が他のライダー達にリスペクトを示さずにこうしたライディングをするようになれば、このスポーツは本当に危険なものになってしまいますし、最悪の結末しか迎えません。なぜあんなライディングをする必要があるんです?他のライダー達はどうすることも出来ません。本当に危険な状況です。レースディレクション、マイク・ウェッブに伝えたとおり彼らが動いてくれることを願います。彼らには大きな責任があります。結局マルケスのああいったライディングは直っていません。彼は今年のカタール開幕戦でザルコの足、そしてドヴィツィオーゾにも接触しました。ビニャーレスともそうですし、今日は自分がやられました。彼はコーナーに20km/h速く進入し、止まるつもりもなく意図的に膝を出してぶつかってきて自分は転倒させられました。マルケスは過去15戦ずっとこの調子です、ただ今年はそれが酷くなっています。他の選手を常に危険に晒していて、相手をトラックの外に押し出そうとしているんです。本当に危険な状況ですね。」
Q
「マルケスと一緒に走るのが怖いという話もしたと聞いていますが、このような行動をするライダーはどのようなペナルティーを受けるべきでしょうか?」
バレンティーノ・ロッシ
「正直マルケスがトラックにいると怖いですね。今日も彼の名前がボードにあるのを見て(※後ろから迫っているという表示)怖かったんです。彼が自分に突っ込んでくるのはわかっていましたからね。ですから、彼が突っ込んできたら転倒させられないことを願うだけですよ。自分はレースディレクションではありません。彼らが決めるわけです。ですから彼がこのスポーツを破壊していると言っているんです。300km/hで走っている時は、他のライバルのことをリスペクトするべきなんです。レースをするにあたって強い走りをし、最大限の努力をする必要はありますが、こんなんじゃ話になりませんよ。」
Q
※質問不明瞭で聞き取れず。。
バレンティーノ・ロッシ
「ボードを見た時、マルケスは自分よりも1秒速いタイムで走っていました。今回自分は十分なペースがなかったんです。でも、そこまでのタイム差があるのであれば、なぜ次のコーナーでオーバーテイクしなかったんでしょうか?彼はあのコーナーにエントリーした時点で、自分に向かって、自分のバイクに、自分の足に故意にぶつけてきたんです。それによって自分を走行ラインから押出し、それでもし自分が転倒すれば、さらにハッピーだったということでしょう(笑)」
「笑っていますけど、これはこんなのはやりすぎだろうと思っているから笑っているんです。2015年以降マルケスとは特にリレーションシップはありません。ですから彼との関係は何も変わりません。ただ”チャオ”って言うだけです。そういうふうに接したほうが時間を無駄にしません。彼が自分に対してリスペクトを示さないのであれば、自分もそうする必要はないってことです。ただライダー間のリスペクトはまた別の話で、今回の事は単純に危険過ぎるっていう話です。彼はアレイシ・エスパルガロにも200km/hで突っ込んでいきました。もしハンドルバーに接触していたら、アレイシは転倒してウォールに向かって吹っ飛ばされていたかもしれません。なんでこんなライディングをする必要があるんですか?」
「自分達はMotoGPクラス、モーターサイクルレーシングの最高峰カテゴリで走行しているんです。もし皆がこういったライディングを始めたら、もうメチャクチャですよ。ですからレースディレクションは大きな責任を負っています。彼らは何らかの手立てを取る必要があります。マルケスは他のライダーを危険に晒しているんです。もしレースディレクションが何かしなければ、このスポーツは機能しませんよ。」
Q
「どのようなペナルティーが妥当ですか?次戦欠場などでしょうか?」
バレンティーノ・ロッシ
「自分にはわかりません。レースディレクションと話をしたいと思います。正直レースディレクションから守られていると感じられませんからね。もし守ってもらえないのであれば、自衛するしかありません。だって守ってもらえないわけですからね。もし次のレースで彼に対して何らかの制裁が加えられない場合、彼はまた全く同じことをするでしょう。ただ、それだけです。自分は自分の事を考えます。自分はこうして突っ込まれた事でチャンピオンシップにおける大切なポイントを失いました。それに彼と一緒に走っても全く面白いありませんからね。彼とバトルをしても何も面白くありませんよ。彼はレースの危険度のレベルをいたずらに上げているんです。彼はクリーンなバトルをしません。彼の走りはアグレッシブじゃなく、ダーティーなんです。」
Q
「彼があなたのガレージに来て謝罪をしようとしましたが、何を思いましたか?」
バレンティーノ・ロッシ
「あんなのはジョークでしょう。全く彼がやったことはピエロと同じですよ。まず第一に、一人で謝罪にくるだけの度胸(※balls)がなかったということですし、いつもどおり彼のマネージャーとホンダの人間を引き連れてきました。そしてそれをカメラの前でやったんです。彼にとって重要なのはそういう”ポーズ”を取ったということなんでしょうね。彼はぶつかった相手のことなん実際は気にかけていないんですよ。彼とは話したくありませんし、近くにも立ちたくありません。どうせ彼は誠実ではないということは、もうわかってしまっていますから。」
Q
「彼はあなたに結局謝罪したのでしょうか?」
バレンティーノ・ロッシ
「彼は謝罪なんてするつもりはないんですよ。そもそもうちのガレージに来ないだけ利口だったら良かったのにと思いますね(笑)」
Q
「彼はマーベリックとあなたにも以前に同様のアプローチをしていますが、今日はさらに酷かったと感じているようですね。」
バレンティーノ・ロッシ
「問題なのは彼がこういった走行を金曜日からしているということなんです。フリープラクティスからです。彼はブレーキングでブレーキをリリースしてマーベリックに真っ直ぐに突っ込んでいきました。幸運にもマーベリックは彼が近づいてくるのが見えてマシンを起こしました。もし、彼がマシンを起こしていなければぶつけられて転倒していたでしょう。なぜ?なぜレースディレクションはマルケスに”なんでそんな走り方をするんだ?”と言わないんですか?1週間に5回というのはあまりにも多すぎるでしょう。」
(Photo courtesy of michelin)