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SBK第3戦アラゴン バウティスタはバイクの性能差で勝利を続けているわけではない

SBK開幕から3戦を終えて様々な種類のサーキットにおけるレースで9連勝を達成したアルヴァロ・バウティスタ。こうなってくるともはやバイクが速いからとは言えず、バウティスタが他のSBKライダー達よりも圧倒的に速いとしか説明がつきません。既存のSBKライダーのファンからすると受け入れがたいかもしれませんが、データを分析するとバウティスタが他のSBKライダーより速いということが明らかにわかるものとなりました。

なお、バウティスタは2018年のオーストラリアGPでは、ロレンソの代役としてDucatiのファクトリーMotoGPマシンで走行。決勝で4位を獲得した実力者です。そのバウティスタが既存SBKライダーよりも圧倒的に速いというのは、当然と言えば当然なのかもしれません。

さて、今回はアラゴン戦におけるレース2のトップ6名(バウティスタ/Ducati、レイ/カワサキ、デイビス/Ducati、ハスラム/カワサキ、ロウズ/ヤマハ、ラバティ/Ducati)の2〜18周目におけるセクター1〜4のタイムを比較しています。

レース2で優勝したバウティスタを濃い赤、2位のレイを濃いグリーンとし、両者にはタイムとトレンドラインを入れています。その他の選手は両者の違いがわかりやすいように薄い色で表現しています。

4つのセクタータイムから言えること

バウティスタは特にセクター1でズバ抜けて速く、バウティスタにセクター1で着いていけるライダーはいなかった。また、セクター2でも序盤は最速ペースで走行している。一方でバウティスタはセクター3ではデイビス、セクター4ではデイビス、ハスラムよりも遅い周回があった。

・バウティスタは1周目から一気に逃げ切る作戦を取り、後半にかけてタイムが悪化している。(※最終ラップは既にスローダウンしている事は除く)一方のレイは後半にかけてタイムが向上しており、追い上げる形のレース展開だった。

・他のDucatiライダーと比較してもバウティスタはセクター1で圧倒的に速いが、セクター3ではデイビスのほうが全体的に良いタイムで走行している。

・実際のレースを見てもそうだが、DucatiパニガーレV4Rでトップグループで走行したデイビス/ラバティの2名が、レイより全体的に速かったのはデイビスのセクター2、3しかなく、パニガーレV4Rの性能(主にストレートの速さ)だけでバウティスタが速かったと結論づけることは出来ない。

・全セクターを通して考えると、セクター1、セクター2で圧倒的に速いバウティスタが前に出てしまうと、セクター3、セクター4でバウティスタより良いペースで走行しているライダーであっても追いつくことは難しい。そのため、バウティスタは一度も抜かれることなくポールtoフィニッシュを飾った。
 

なお、レースで最高速を記録したのはラバティで(Ducati)323.4km/h。バウティスタ、デイビス、ハスラムが 321.4km/hで横並び、レイは318.6km/hだったため、Ducatiにストレートスピードにおけるアドバンテージはあったとは言え、大きなアドバンテージだったとは言えないでしょう。

以上のセクタータイムを見ても、バウティスタは他の選手よりも圧倒的に速いセクターもあり、他の選手とさほどタイム差がないセクターも、他の選手よりも遅いセクターもあったことが明らかになりました。また、他のDucatiパニガーレV4Rを操縦するライダー達が一様にカワサキ、ヤマハより速いわけでもありません。つまり、バイクの性能差でバウティスタが連勝を続けているわけではないと言えるでしょう。

今後のレースの中でバウティスタが予選を失敗したラウンドがあれば、後方のグリッドから順位を上げていく過程で、その速さがさらに良くわかるでしょう。

(Photo courtesy of Ducati)

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