HRCテクニカルマネージャー 横山 健男「ミシュランのリアタイヤへの理解が足りない」

HRCテクニカルマネージャー 横山 健男「ミシュランのリアタイヤへの理解が足りない」

HRCテクニカルマネージャーの横山氏は、今年のホンダのパフォーマンスが低いことは明らかとしつつ、その中でも出来ることを着実に進めていくと語る。また、結果が出ていないのはテストチームのせいではなく、ミシュランに新しいリアタイヤへの理解が足りていないことが原因だとする。

ブラドルを始めとするテストチームの働きには満足しており、ライダー達のフィードバックは似ていると語るが、ホンダのRC213Vを誰よりも限界で操れるマルクでないと、ミシュランの新しいリアタイヤにバイクを適応させていくためのシャーシのテスト作業を任せられないということは、今後も引き続き課題にはなるだろう。

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今年は満足いく結果になっていない

HRCテクニカルマネージャー 横山 健男

2021年については満足いく結果ではありません。ホンダのゴールは常にトップですからね。今はとにかく出来ることを進めていくしかないでしょう。マルクは昨年レースしていませんから、ミシュランが昨年導入した新型リアタイヤの事が全くわかっていません。2021年に戻ってきて、彼のリアタイヤの理解は現状まだまだ不十分でしょう。」

「体調は十分ではないながら、彼のフィードバックは流石です。彼のアイディアから多くのヒントを得ていますし、後半戦に何らかの形で実現するかもしれません。他のライダー達もトップライダーで、今年は全員のバイクが同じです。全員のライディングスタイルが異なり、好みも異なるわけです。しかし全員からのフィードバックは引き続き重要です。」

「今までは同じバイクではありませんでしたが、今年は少なくともスタート時点では皆が2021年のバイクを使用しています。シャーシなど以外にも色々なパーツを開発しています。しかし全てが横並びではなく。あるパーツがしっくりくるライダーもいるわけです。」

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問題を抱えているのは明らか

ホンダが問題を抱えていることは明らかで、一番の問題はミシュランが昨年導入したリアタイヤをうまく理解出来ていないことでしょう。前進はしているものの、ライバルのレベルには到達していません。ホンダがいろいろなアイテムを試しているのを見るでしょうが、その殆どがリアタイヤの性能を引き出すためのものです。

「シーズン中にこの問題を解決出来るかは、なんとも言えません。毎回新しいパーツを持ち込んでおり、それがハードウェアのこともあれば、電子制御などのソフト面であることもあります。ライディングスタイルによることもあります。ライバルに並ぶことが出来るか、上回れるかなんともわかりませんね。」

ミシュランタイヤの性能には満足している

基本的にホンダはミシュランが提供するタイヤに満足しています。タイヤに限らずあらゆる部品には多少の差があるものです。しかし現在のMotoGPの差が非常にタイトですから、少しの差が大きな結果になります。MotoGPライダーというのはとても繊細なセンサーを持っていますから、そうした差を如実に感じることが出来るわけです。」MotoGP2021オーストリアGP マルク・マルケス「同じサーキットでのレースは初めて」

「そしてこの個体の差というのはエンジンごとの差でもありますし、この差を出来る限りなくそうとしています。ミシュランにしても我々にしても、可能な限り個体差をなくそうとはしているんです。その観点から言うと、ミシュランが提供しているタイヤのパフォーマンスは素晴らしいですし、安定感も素晴らしいと思います。」

ただ、工業製品である以上は常に100%であるということはありません。不良品も時にはあるかもしれませんし、パフォーマンスが低い製品があることもあるでしょう。ですが、ホンダはミシュランにタイヤには満足していますよ。

ライバルに劣っているのはテストチームのせいではない

ステファン・ブラドルを始めとするテストチームの作業には満足しています。現在のホンダはライバルよりも劣っていることは明白ですが、これはテストチームのせいではありません。さらに前進出来ると思っていますし、今のテストチームに問題があるとは思っていません。MotoGP2021 オランダGP 予選11位ポル・エスパルガロ「後方からのスタートは厳しい」

マルクがナンバーワンライダーでチャンピオンでもありますから、彼を勝たせたい、そのために彼を中心に開発が動く部分は確かにあります。しかし、同時にそれ以外のライダー達も素晴らしいライダーで、彼らのフィードバックもまた重要です。4名のライダーからのフィードバックは大きな差があるわけではありません。もちろんその中で方向性は決定しなければいけませんけどね。」

先週は確かにマルクのみが新しいシャーシを使用していましたが、これが唯一夏休みに作成出来たシャーシだったんです。1つしかなかったのでリスクもありましたが、マルクにまずは使用してもらうことにしたんです。今週に関しては引き続きマルクのみが使用していますが、この新しいシャーシから良いフィードバックが得られていますから、今度はこれをマルク以外のライダー達にも展開していくことになるでしょう。他3名のパフォーマンスが上がると自信を持っていますよ。MotoGP2021スティリアGP 予選10位中上 貴晶「10番手は望んだ位置ではない」

「開発に関しては昨年から今年に関してはエンジン開発が凍結されています。そういう意味では2年分の開発を来年のエンジンに持ち越していることになります。そういった意味では来年のエンジンは大きく変化するエンジンになると言えるでしょうね。MotoGP2021 フランスGP アレックス・マルケス「ウェットコンディションでポジションを回復出来た」

(Photo courtesy of michelin, HRC)

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