チーム・スズキエクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のテクニカルマネージャーである河内氏、プロジェクトリーダー、チームマネージャーを兼任する佐原氏は、後半戦から導入したリアハイトデバイス、サテライトチームなどについて語った。特に佐原氏は今年ダヴィデ・ブリビオが抜けた穴を埋めるため、チームマネージャーを兼任しているが、来年についてはチームマネージャーが必要だろうと語っている。チーム・スズキエクスター(Team SUZUKI ECSTAR)佐原 伸一「外部からチームマネージャーを入れるつもりはない」
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リアハイトデバイスのメリットは大きい

テクニカルマネージャー 河内 健

「スズキのバイクも昨年から進化はしていますが、ライバルと比較すると昨年よりやや厳しいポジションだと言えると思います。特にトップスピードと加速性については弱点と言えるかもしれません。特にカタールでは加速性の違いを大きく感じました。その中で、トップスピード、加速性を改善しなければいけないと感じました。」
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「リアハイトデバイスについては昨年から調査を進めていましたが、今年の開幕戦以降に開発が進んでいったんです。リアハイトデバイスについては多少の問題もありますが、それよりも得られるメリットのほうが大きいと言えるでしょうね。時には他のメーカーが持ち込んでくる新しいアイテムの性能が素晴らしく、そのせいで苦戦することは確かにあります。」

スズキはミスをしないように前進を続けている

プロジェクトリーダー/チームマネージャー 佐原 伸一

スズキのバイクもレースごとに改善を続けていますしパフォーマンスには満足していますが、レースの結果に関して満足出来ていません。スズキは奇跡的な一手を探しているわけではありません。ステップ・バイ・ステップでミスをしないように確実に前進を続けているんです。スズキはそういった意味で成功を収めていると思います。」

将来的にサテライトチームを持つことは、技術的、広報的な意味合いにおいて重要になります。しかしサテライトチームを持つことで、メインであるファクトリーチームに関して十分に注力出来なくなるような問題が出るのであれば、サテライトチームは不要かなと思います。ですから、適切なタイミングでサテライトチームを持つことが出来ればと思いますね。
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ブリビオがいなくなったことで彼の仕事を自分がしている状況で、チーム全体がお互いをカバーしている状況が続いています。今年は同様の体制で戦っていこうと思いますが、来年に関してはチーム構造を少し変更しようと思っています。

「つまり、チームマネージャーとして誰か新たな人物が就任する必要があると思っているんです。今まさにその人物を探しているところです。後半戦に関してはしっかりとスズキの真価を発揮出来ると思います。もちろんすべてのレースで全力で挑み、チャンピオンシップは諦めていませんよ。」
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(Photo courtesy of suzuki racing, michelin)