マルク・マルケスは、過去常に得意としてきたアメリカのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ、通称COTAに挑むが、今までとは状況が異なっている。得意な左回りのサーキットとなるが、あるとあらゆる種類のコーナーが連続するCOTAは難易度の高いサーキットでもあり、腕の状況について確認しながらの走行となることは避けられない。

得意なサーキットとは言え、どの程度の走行が出来るか現時点では未知数と言えるため、過去の得意なサーキットでどの程度苦戦するかは、自らの腕の回復具合の確認、今後の走り方の確認について重要になるだろう。[adchord]
サンマリノGP予選7位マルク・マルケス「HRCの戦略とブラドルに感謝」

腕の回復に集中していきたい

マルク・マルケス

優勝を重ねていて物事が順調な時はすべてが楽に感じるものです。しかし厳しい状況の時はスマートに対応することが必要です。この2年間が非常にタフな時間でしたが、これから立ち向かうかもしれない同様に厳しい状況に、成長したメンタルで立ち向かうことが出来るかもしれません。」

「この2年で学習したのは体を労ってやる必要があるということです。体を労ってやればより多くのレースが出来ます。フィジカルで苦戦をするとメンタル面でも苦戦してしまいます。もちろんこういった状況だとバイクのライディングだけでなく日常生活で痛みを感じますから、腕のことを気にしてしまいます。」

ライディングをしていても、今まで出来ていた動きが出来なくなっているので、今まで出来ていたように転倒をセーブすることが出来ません。頭で考えていることは別ですが、体の反応は別ですから、その整合性を取ることが難しいんです。シルバーストーンではマルティンと絡んで転倒してしまいましたが、自分の中での動きと実際の動きは異なっていたわけです。」
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アラゴンでのペッコとのバトルに関しても、今までのような走りが出来なくなっているので、接戦の中でのオーバーテイクでもマージンをある程度残したバトルになってしまいます。ですから、あの時は何度もワイドになってしまいインを刺し返されたんです。今までのようなタイトなバトルが出来なくなっているので、こういった走りをせざるを得ないんです。」

「腕の状態に関して100%と感じることが出来ず、今までのように肘で転倒をセーブするようなことが出来ないでいます。現時点では50〜60%程度の回復状況で、この冬には80%に持っていきたいと思っています。今後この右腕、右肩の回復にしっかりと集中していきたいと思います。」

「正直バイクに関しても苦戦していて、夏休み以前の状況が全くわかっていなかったですし、最後に乗った2019年型に関しても苦戦しました。様々なシャーシを試しましたし、方向性を探ってきました。ただ、ドイツでは2019年型のバイクで2019年型のセットアップで優勝はしましたけどね。後半はバイクのセットアップに関して作業を続けていて改善はしています。」

「ホンダ、HRCは新しいものを常に提供してくれます。新しいものはすべてがポジティブではありませんが、こういった状況は常にプッシュする気持ちを高めてくれます。いずれにしても全てのサーキットで、あと1.5秒は速く走る必要があります。ライダーというのは全てのサーキットでトップで戦うことを考えねばなりません。」
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自分が目指しているのはホンダのベストライダーではなく、MotoGPの中で世界一のライダーであることです。ですからライダー全員、エンジニア全員がバイクの改善、スキルの改善に一眼となって取り組んでいく必要があるんです。そして2022年のタイトル争いに向けて作業を進める必要があるんですよ。」

「今週末のアメリカズGPは素晴らしいレースの後に迎えることになります。レイアウト自体も好みですし、過去に多くの成功を達成しています。しかし今年の状況は今までと異なっています。週末を通じて結果を積み上げていくことが重要ですね。いずれにしても常に楽しんで走行出来ているトラックですから、オースティンでレース出来るのは素晴らしいことです。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of HRC)