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ブレンボが分析する 2021年MotoGP エミリア・ロマーニャGP

2020年と同様に今年もミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでMotoGP世界選手権レースが2回開催される。昨年は1週間の間隔でレースが開催されており、今年は、ロサイル・インターナショナル・サーキットとレッドブル・リングが共に2回レースを開催している。すべてのMotoGPライダーと密接に連携しているブレンボの技術者によると、ミサノ・サーキットはブレーキにとって中程度の要求度のサーキットだ。長さ600メートル以上のストレートセクションがないため、難易度は5段階評価で3となっている。
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brembo(ブレンボ)MotoGPマスターシリンダーは低フリクション

22名のMotoGPライダー達全員がbrembo(ブレンボ)のマスターシリンダーを使用しているが、ラジアルマスターシリンダーでは、指がブレーキレバーにかかる力、レバー自体の力は同じ方向に機能する。レバーからの力が無駄にならずシリンダーに作用するため、フリクションが低減されている。

brembo(ブレンボ)は1985年にラジアルマスターシリンダーの特許を取得している。翌年にヤマハのエディー・ローソンのYZR OWに装着され、彼の500ccタイトル獲得を手助けした。

MotoGPの技術を、ストリートリーガルなモーターサイクルにも

brembo(ブレンボ)は、MotoGPでの豊富な経験からインスピレーションを得て、R19RCS Corsa Cortaラジアルマスターシリンダーを開発した。その特徴のひとつは、噛み合わせを3段階に調整できることにある。

つまり、ライダーは自分のライディングスタイルやアスファルトの状態、天候に応じて、ブレーキシステムが圧力をかけ始めるポイントを決定し、ブレーキが効かない段階を調整することができる。

強力なブレーキング

ミサノ・ワールド・サーキットの3つのコーナーだけで減速スピードは100km/hを超え、ブレーキングは3秒以上続くことがある。これらのブレーキングポイントはいずれもトラックの半分以前で、トラック後半の最大減速スピードはターン9で93km/h、制動時間は最終コーナーで2.7秒間だ。

MotoGPライダーは、1周あたり12回、合計31秒もブレーキを使用するが、これはグランプリ全体の34%に相当する。スタートラインからチェッカーフラッグまで、各ライダーがブレーキレバーにかける力は合計12クインタールで、これは2021年の世界選手権全体で最も高い値となる。

ブレーキフルードの圧力は11bar

ミサノ・ワールド・サーキットのマルコ・シモンチェリの12のブレーキングセクションのうち、3つはブレーキに厳しく、3つは中程度、残りの6つはさほどブレーキには厳しくないポイントだ。

ターン8と同様、ターン1の制動距離は200メートル(218.7ヤード)以上あり、ライダーはわずか4秒で時速272km/hから116km/hに減速し、201m(229.6ヤード)の距離で1.5Gの減速度となる。レバーにかかる圧力は5.3kg、ブレーキフルードの圧力は11.4barに達する。

(Source: Brembo)

(Photo courtesy of Brembo)

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