世界耐久選手権(EWC)のチャンピオンである ヨシムラ SERT Motul(YOSHIMURA SERT MOTUL)は4月16日に開催されるル・マン24時間耐久ロードレースに向けて準備を進めている。ブガッティサーキットで数々の優勝を収めてきたチームは、新たなパーツ、ブリヂストンのニュータイヤの感触を確かめた。今年のチームのライダーラインナップに変更はなく、グレッグ・ブラック、シルヴァン・ギュントーリ、ザビエル・シメオンの3人の経験豊かな3名のライダーで参戦する。[adchord]
テストの中で3名はレースペースでの走行を進め、新しいタイヤでのセッティングを煮詰めていった。初日は晴天、2日目は雨天でテスト走行が実施され、24時間で移り変わることが予想されるコンディションを反映したテストとなった。なお、ブラックは初日終盤に転倒しており、翌日の走行は出来ていない。
加藤洋平 チームディレクター
「2022年シーズンから導入された新パーツ等を駆使して、初日にペースを確認することができました。このコースではすべてがうまく機能しているので満足しています。今回はブリヂストンから新しいスペックのタイヤが提供されましたので、このタイヤに集中して作業を行っています。グレッグは残念ながら大きな転倒をしていますが、レースまでに体調は回復しているはずです。2日目は雨が降ったので、より難しいコンディションの中でタイヤの学習を続けることができたと思います。」
ダミエン・ソルニエ チーム監督
「レースで遭遇する可能性のあるコースコンディションで2日間を過ごすことができました。初日ドライコンディションでは、ヨシムラが冬季テストで渡辺一樹と一緒に準備した内容を試すことが出来て、良い結果に繋がりました。」
「冬の間チームメンバーとは会っていませんでしたから、チームとの再開は嬉しかったです。この日残念だったのは、グレッグが最後に転倒してしまったことです。2日目は午前中の路面のグリップが低く、レースに向けて準備を進めました。今回のテストの中で、レイン、スリック両方のタイヤの使用限界を試すことが出来ました。」
「さらにライダーも皆このコンディションで走行してもらうことで、皆がコンディションに対応出来るように準備しています。終盤には路面が乾いてきたことで、初日に記録したラップタイムを更新することが出来ています。」
シルヴァン・ギュントーリ
「モストで走った時以来、久しぶりのバイクの走行でしたので良いテストになりました。新しい内容をテスト出来たことはポジティブでしたね。特にニュータイヤとマシンリアに関して取り組んでいます。初日は暑く、2日目はウェット、終盤はドライと複数のコンディションで走行が出来ました。レースに向けて準備が進んだと思います。」
グレッグ・ブラック
「初日は晴天に恵まれ、ドライコンディションで走行を重ねました。レースコンディションでも良いラップタイムを刻むことができた。新しいセッティングやマシンの進化にはかなり満足しています。レースに向けて良い兆しだと言えるでしょう。」
「この日唯一、ニュータイヤで高速ラップを刻むチャンスがありましたが、ダンロップコーナーとシャペルコーナーの間でハイサイドを起こしてしまいました。かなり高速の転倒でその後に雨が降ってきたんです。足首に少し痛みがあったので、2日目はレースに向けてしっかりと回復するためライディングしない選択を取っています。」[adchord]
ザビエル・シメオン
「とても充実した2日間でしたね。初日はほぼ100%ドライで、2日目はウェット/ドライのコンディションでした。耐久レースでは雨でもレースは止まりません。適切なタイミングで適切な判断をすることが必要ですから、今回、多くのことを確認することができました。」
「今回のテストでは、2月に行ったアルメリアでの走行の好感触を確認することができました。パッケージはとてもいいですし、マシンセッティングについてもシルヴァン、グレッグとフィーリングが合っています。レース開始が待ち遠しいですね。」
(Photo courtesy of suzuki-racing)