スプリントレースを終えて、決勝レースに挑んだホルヘ・マルティンの走りは、明らかに今までと異なっていた。トップでレースをリードしつつも、後続を引き離しにはかからず、快適な差を維持したままタイヤを温存。残り12周から一気にプッシュしたと振り返る。ブラッド・ビンダーを引き離せなかったのはプラン通りではなかったようだが、そこからビンダー、ペッコと共にバトルを繰り広げつつ、最後までスピードを発揮して優勝をもぎ取った。
今日は3位になるかもと思っていた
ホルヘ・マルティン
「本当に今日のレースの感想を簡単に言い表すのは難しいですが、Moto3のマレーシア戦を除けば、人生においてベストと言えるレースの1つでした。今日はブラッド・ビンダー、フランチェスコ・バニャイアよりもスピードはなかったと思っていますが、経験と手元のツールすべてを使って走りました。」
「ブラッド・ビンダー、フランチェスコ・バニャイアはブレーキングが強力で、ブレーキングでは勝負出来ません。本当にメンタル面できついレースでしたし、タイヤの残りがない状態で予選のようにプッシュして走行しました。」
「辛い時はモチベーションを維持することが難しいですが、今日は彼らのほうが戦力としては上でしたからね。今日は10周を狂ったようにプッシュするのはやめて、タイヤをしっかりと温存して2位のライダーと0.2秒差を維持しながら、残り12周の段階でプッシュをしたんです。」
「残念ながら後続を引き離せないことがわかった時、今日は3位になるかもしれないと思って走っていました。ブラッド・ビンダーに抜かれた時は、彼がそのまま逃げ切ってしまうかと思っていましたが、彼がタイヤをかなり摩耗しており、自分もスピードがある状況だったので再度彼を抜き返して死ぬ物狂いでプッシュしたんです。」
「この優勝は本当に嬉しいですし、自分もこういったバトルで勝てるんだと周囲の人のわかってもらえたでしょう。最終コーナーまでどうなるかわかりませんでした。接触されるかもしれませんし、最後までわかりませんから。」
「優勝するぞ!と自分に言い聞かせながらスロットルを全開にしていました。嬉しさのあまりボディアクションでスクリーンを叩き割ってしまいましたが、それだけ嬉しいですね。この3連勝は厳しい戦いでしたし、この暑さも堪えました。」
「多くの人がフランチェスコ・バニャイアが追いついてきた時、彼が優勝すると思っていたでしょう。決勝レースでは彼は本当に強いですから。でも、スプリントではなく、ペッコが得意な決勝レースで優勝出来たことは本当に意味があります。」
「メンタル面でも日曜日に勝利出来るというのは価値があることです。集中を続けて、これから更に優勝を積み重ねていきたいと思います。さらにポイント差も縮んでいますから、バレンシアに向けて戦っていきます。」
(Photo courtesy of michelin)