タイGPでのミシュランの挑戦
2024年MotoGP世界選手権の第18戦は、今週末、ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで開催される。このサーキットは、厳しい気候条件とテクニカルなコース特性で知られている。ミシュラン・モータースポーツは、コースの特徴や高温対策に対応したタイヤを準備し、耐熱性を重視した設計を採用している。週末には20万人近いファンが集まる見込みで、選手権とミシュランはこの6年で5度目の訪問となる。
アジア-オセアニアのハブとしてのタイGP
タイGPは、オーストラリアのフィリップアイランドとマレーシアのセパンの間に位置する、MotoGP世界選手権のアジア-オセアニアラウンドの一環として行われる。シーズン終盤の非常に多忙な期間であり、スペインのバレンシアでの最終戦(11月15日~17日)を前に重要なレースとなる。2024年の選手権は多様なコース特性により、ミシュランのタイヤ性能を様々な条件で証明する場となっている。
ブリーラムサーキットの特徴とタイヤ対応
ブリーラムサーキットはバンコクから北に約500kmに位置し、特にこの時期は高温多湿な地域である。全長4.554kmのコースには5つの左コーナーと7つの右コーナー、さらに1kmに達するストレート2本があり、タイヤにとって非常に厳しい条件を提供する。これらの条件に対応するため、ミシュランは過去のレースデータや2023年の優れた成績を基にタイヤ選定を行った。
ミシュランの二輪レースマネージャー ピエロ・タラマッソ
「昨年のパフォーマンスから、同じタイヤを採用しつつフロントタイヤを一部調整しました。昨年は特に適したパッケージのおかげで、激しいバトルが繰り広げられました。今年も同様のパフォーマンスを期待しており、フロントの3つのタイヤコンパウンドをわずかに剛性を高め、ハードコンパウンドの内部構造も強化しました。」
「リアタイヤは昨年と同じ構成をそのまま再利用します。グリップ、トラクション、制動の安定性、耐摩耗性を全て満たすタイヤを提供することが求められます」
2023年のTissotスプリントレースでは、45°Cの路面温度と60%の湿度の中で、多くのライダーがフロント・リアともにミディアムコンパウンドのMICHELIN パワースリックを選び、高いパフォーマンスを発揮した。今年も再び、素晴らしいレースが期待される。
タイヤ配備と雨天対策
PTタイグランプリに向けて、ミシュランのパートナーライダーには、フロント用にソフト、ミディアム、ハードの3種類の対称型コンパウンド、リア用にはミディアムとハードの非対称型タイヤが提供される。前述のように、ハードのフロントオプションとリアタイヤの内部構造はより剛性を高めたものとなっている。雨天時には、フロントとリア用にソフトとミディアムのMICHELIN パワーレインタイヤが準備され、リアタイヤはスリックと同様に右側が強化されている。
更新されるレコードへの挑戦
Tissotスプリント(2023年初開催)
- ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が記録した最速ラップタイム:1’30.178
- スプリントレースの目標タイム:19’41.593
決勝レース
- 2023年、ホルヘ・マルティンが記録した全タイムサーキットラップレコード:1’29’’287
- マルコ・ベッツェッキ(ムーニー VR46レーシングチーム)のレース最速ラップ:1’29.896(2023年)
- グランプリの基準タイム:39’36.223(2019年、優勝者マルク・マルケス)
(Photo courtesy of michelin)