イタリアが誇る二輪と四輪のスーパースポーツブランド、ドゥカティとランボルギーニによる最新コラボレーションモデル――「Ducati Panigale V4 Lamborghini」が、ミラノデザインウィークにて華々しく発表された。発表イベント「The Art of Unexpected」は、ミラノのTeatro Alcione(アルチオーネ劇場)にて開催され、両ブランドのデザインと技術の結晶が世界中の注目を集めた。

ドゥカティ×ランボルギーニ、第3章へ

このモデルは、過去に登場した「Streetfighter V4 Lamborghini」や「Diavel 1260 Lamborghini」に続くコラボ第3弾。両社はイタリア・エミリア地方のモーターバレーを拠点とし、情熱、技術、芸術性を武器に、世界のモータースポーツシーンで確固たる地位を築いてきた。

今回のプロジェクトでは、ドゥカティ最高峰のスーパーバイク「Panigale V4 S」と、ランボルギーニが新たなスーパースポーツの定義として送り出す「Revuelto」がベースに選ばれた。いずれも、両ブランドのエンジニアリング哲学とデザイン言語の到達点を象徴するモデルだ。

技術と美の融合 ― 2輪と4輪のフラッグシップが交差する瞬間

Panigale V4 Lamborghiniは、ドゥカティのレース直系エンジン「Desmosedici Stradale」と、ランボルギーニの象徴ともいえるV12エンジンのスピリットが交錯することで生まれた。

このバイクは単なるリバッジモデルではなく、デザイン、カラーリング、空力要素に至るまで、Revueltoの世界観が注ぎ込まれており、見る者を圧倒する存在感を放つ。まさに「予想外の芸術(The Art of Unexpected)」というテーマを体現したマシンとなっている。

クラウディオ・ドメニカリ(ドゥカティ CEO)

「Panigale V4 Lamborghiniにより、この象徴的なパートナーシップはさらに豊かな章を迎え、私たちを突き動かす価値観 ― イタリアの卓越性、スポーティさ、そして圧倒的なパフォーマンス ― を改めて強調することとなりました。デザインにおいても、常に際立つ存在感を持つことを目指しています。今回はランボルギーニ・レヴエルト(Revuelto)にインスピレーションを受け、両ブランドの中でも最も特別で象徴的なモデル同士を結びつけました。この選択は、我々が情熱を持つすべてのエンスージアストに、唯一無二のコレクターズアイテム、そして刺激的なオンロード体験を提供し続けたいという姿勢の証です。」

レヴエルト:Panigale V4のインスピレーションの源

Panigale V4 Lamborghiniのデザインおよびコンセプトは、ランボルギーニ初のHPEV(高性能電動化ビークル)であるRevuelto(レヴエルト)から直接インスピレーションを受けている。

Revueltoは、最新のV12自然吸気エンジンと、3基の高密度電動モーター、さらに革新的なデュアルクラッチ横置きギアボックスを組み合わせることで、合計1015馬力を発揮。ドライバーに未体験の加速と官能的な走行感を提供する。加えて、カーボンファイバーと超軽量素材の広範な採用により、同社史上最良のパワーウェイトレシオ:1.75kg/CVを達成。0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は350km/h超という驚異的な数値を誇る。

このRevueltoは、ランボルギーニのデザイン部門「Centro Stile」と、究極のカスタマイズを実現するAd Personam(アド・ペルソナム)プログラムの共同成果として、今回のミラノ・デザイン・ウィークに登場。その芸術的な存在感と先進技術の融合は、ドゥカティとの新たなコラボモデルに明確な方向性を与えている。

ステファン・ヴィンケルマン Automobili Lamborghini S.p.A. 会長兼CEO

「ランボルギーニとドゥカティ、2つの明確で個性あるデザイン言語が交わるとき、そこに生まれるのは、我々のイタリアン・スピリットと美しさを体現する究極の表現です。それこそが私たちを世界で際立たせる要素です。」

「このパートナーシップによって、ドゥカティはレヴエルトの持つ極限のスポーツ精神とエクスクルーシビティを見事に解釈し、再構築しました。我々のスタイルDNAに根差す細部やシグネチャーをバイクにまで落とし込み、パフォーマンス、興奮、そしてキャラクターを“ピュア・ランボルギーニ”のスタイルで融合させた、唯一無二の存在を作り上げたのです。」

ハイパフォーマンスの源泉:V4 S × Revuelto

Panigale V4 Lamborghiniは、統合的エアロダイナミクス設計、極めて高効率なシャシー、Ducati Vehicle Observer(DVO)やRace eCBS(電子統合ブレーキ制御システム)といった電子制御の革新によって、高次元の操作性と走行性能を実現している。

Ducati Centro StileとLamborghini Centro Stileが共同で手掛けたデザインは、Revueltoのシルエットやカラーパレットを見事にバイクへと投影。カーボンの質感を活かしたブラックベースに、「ヴェルデ・スカンダル」「グリージョ・テレスト」「グリージョ・アケーゾ」といった専用色がアクセントを加える。シートもRevueltoのインテリアから着想を得た特別仕様となっている。

隅々までこだわり抜いた“走るスーパーカー”

  • ホイール:鍛造アルミホイールはRevueltoと同デザイン。
  • テールセクションとウイング:ランボルギーニのデザインラインを継承し、ドゥカティが新設計。
  • 外装パーツ:ヒートシールド、ヒールガード、前後マッドガードまですべてカーボンファイバー製。
  • 最軽量・最強スペックのV4シリーズ
  • エンジン出力:218.5馬力(専用ECUキャリブレーション+Akrapovič製チタン製サイレンサー装備)
  • 車重:185kg(Panigale V4 Sより約2kg軽量)
  • パワーウェイトレシオ:1.18 HP/kg(V4 Sの1.15を上回る)
  • サイレンサー:アクラポヴィッチ製チタン+カーボンエンドキャップ
  • ドライクラッチ:レース起源のメカニズムで、サウンドと操作感の両面において独自性を演出。
  • 調整式ステップ/ブレーキ&クラッチレバー/バーエンドウェイト:すべて削り出しビレットアルミニウム製。
  • サーキット走行を意識したレーシングパッケージ付属
  • ビレット製レーシングフューエルキャップ
  • ブレーキキャリパー用冷却エアダクト
  • カーボンファイバー製オープンクラッチカバー
  • ナンバープレートホルダー撤去用キット

所有欲を刺激する、唯一無二の演出

  • エンジン名刻印プレート(Desmosedici Stradale)
  • 削り出しビレット製トリプルクランプ
  • 電源オン時の専用ダッシュボードアニメーション(車名+シリアルナンバー表示)
  • イグニッションキーにも:アルミ製バッジにシリアルナンバーをレーザー刻印
  • 車体と同カラーの特別仕様バイクカバー
  • 認証書(Certificate of Authenticity)付属
  • 専用デザインの化粧箱に収納された状態で納車
  • 専用仕上げの木製クレート&リアスタンド付き

納車開始:2025年9月

Panigale V4 Lamborghiniの納車は2025年9月より順次開始予定。「Speciale Clienti」バージョンは、その希少性とパーソナライズの自由度により、極めて限られた世界で唯一の“作品”となる。

(Photo courtesy of Ducati)