ホンダHRCチームは、ファクトリーライダーのシャビ・ビエルゲを起用し、スペインのヘレス・サーキットで重要なテストセッションを完了した。冬季休暇後、初めてレーストラックに戻ったホンダHRCチームは、1月22日(水)と23日(木)の半日にわたりヘレスでのテストを実施。

ビエルゲのほか、ホンダのテストライダーである長島哲太と、負傷中のイケル・レクオナの代役としてボルハ・ゴメスが参加。負傷中のレクオナも現地に姿を見せ、ガレージ内でチームとともにテストを見守った。

昨年11月以来のテストとなる今回、チームはCBR1000RR-Rの総点検を実施。ビエルゲ、長島、ゴメスの3名が貴重なフィードバックを提供し、技術陣は2025年シーズン開幕に向けた準備を着々と進めた。水曜の天候は乾燥しており、穏やかな冬の気温の中、チームは効率的にセットアップ作業を進めることができた。しかし、木曜には雨が降り続け、路面が濡れた状態となったため、チームは半日でテストを切り上げる決断を下した。

ファクトリーライダーのビエルゲは2日間で100周以上を走行。異なるコンディションの中で貴重な時間を確保し、1月28日~29日に予定されているポルトガルのポルティマオでのテストでも、この勢いを維持したいと意欲を示している。なお、ポルトガルでのテストには、レクオナも復帰する見込み。

シャビ・ビエルゲ

「ようやくトラックに戻れて、本当に嬉しく思います。今回のテストは非常にポジティブな内容でした。水曜は風が少し強かったものの天候は乾燥していて、バイクの感触は初日から良好でした。新しいチーフメカニックとの作業を始めたのですが、彼の経験は非常に豊富で、良いパートナーシップが築けると感じています。」

「今回のテストでは、新しいサスペンションのセットアップを試しつつ、電子系にも注力しました。木曜の雨で走行時間が短縮されたのは残念でしたが、Öhlins(オーリンズ)のサスペンションを使ってウェットコンディションで初めての走行ができたことで、多くの理解が得られました。まだ改善の余地はありますが、トラクション性能の向上につながるはずです。また、全体的なフィーリングを改善するための作業も進め、この週で多くの進展がありました。次のポルティマオでは、さらに乾燥した天候の中で準備を進められることを期待しています。」

イケル・レクオナ

「1月初旬にトレーニング中の小さな事故で肋骨を骨折し、肩も負傷してしまいました。ヘレスに来る直前に医師から『まだ少し待つべきだ』と言われたので、チームと合意のもとで今週のテストを欠場することになりました。万全な状態ではありませんが、全体的には問題ないと感じています。来週のポルトガルでは走行に挑戦するつもりです。医師のアドバイスに従い、回復に全力を尽くしていますので、良い結果を期待しています。」