次戦エミリア・ロマーニャラウンドを控え、ホンダHRCは5月27日(火)と28日(水)の2日間、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリにてファクトリーライダー、イケル・レクオナとともに建設的なテストを実施した。
27日はセッション終盤にわずかな雨が降ったものの、全体的には理想的なコンディションで進行。28日はさらに気温も上がり、晴天のもとテストは継続された。
レクオナは今季初の「フルテスト」となるこの2日間を最大限に活用。ガレージではトミー・ブライドウェルも加わり、ファクトリーチームの作業をサポート。レクオナとその技術陣は、前戦までの流れを引き継ぎ、マシンのセットアップと電子制御の調整に集中。特に水曜日は、昨年10月以来となる本格的なセットアップ作業に取り組み、収穫の多い一日となった。
一方、チームメイトのシャビ・ヴィエルへは、負傷からの回復のため今回のテストを欠場。チェコラウンド最終レースの第1コーナーで起きた多重クラッシュに巻き込まれ、右足の立方骨を複雑骨折。手術を受けた後、現在は復帰に向けてリハビリに専念している。
次回の第6戦ワールドスーパーバイク選手権は、6月13日から15日にかけて再びミサノ・ワールド・サーキットで開催される。

イケル・レクオナ
「全体的にかなり満足しています。ちょっと変に聞こえるかもしれませんが、実はこれが今季初の本格的なフルテストなんです。冬季テスト期間中も、ずっとケガや回復中だったので。今回はベースセットアップを試す時間が2日間もあり、いくつか調整も加えました。」
「レースウィーク中はFP2などで試しても、セッション全体を無駄にしてしまうことが多くて…。火曜日はクレモナとモストで使ったベースからスタートし、レース終盤に起こりやすいフロントの沈み込み問題に対処するため、最小限の変更を加えました。ユーズドタイヤでも快適に走れたし、ずっと単独走行でしたが、それでも上位タイムを記録できていました。もちろん、気温もちょうど良くグリップも良好だったので、条件には恵まれていました。」
「水曜日は気温がさらに上がって、グリップが落ちてくるとちょっと苦戦しましたが、それでも問題を軽減するためにしっかり作業できたと思います。最後はソフトタイヤ2本で数ラップ走り、いい感触を得られました。進歩には満足していますし、数週間後にまた戻ってくるのが楽しみです。たぶんそのときは全然違うコンディションでしょうけどね。」









シャビ・ヴィエルへ
「ミサノでチームと一緒にテストができないのは本当に残念です。でも右足の手術後の回復は順調で、そこは良いニュースですね。毎日ハイパーバリックチャンバーで治療し、医師の指導に従ってしっかりリハビリに取り組んでいます。」
「最近の検査で、インディバマシン(組織の回復を早める448kHzの高周波治療機器)など、さらなる治療も始められると許可が出ました。今はジムにも戻っていて、足に体重はかけずにできる運動を再開しています。これは大きな前進です。」
「6月2日(月)には再検査とスキャンを受ける予定で、経過が順調であれば、少しずつ足に体重をかけるリハビリに入れると思います。回復のスピードは思ったより早いですが、焦らず計画通り進めて、一日でも早く復帰できるように集中していきます。」
(Photo courtesy of HRC)