5月27日〜28日にかけて、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催されたプライベートテストにて、bimota by Kawasaki Racing Team(BbKRT)が新型マシン「KB998 Rimini」の戦闘力向上に向けて集中的なテストを実施した。

テストにはレギュラーライダーのアクセル・バッサーニとアレックス・ロウズが参加し、開発ライダーのシャビ・フォレスも加わってセッティングや新パーツの評価を行った。

バッサーニ、地元で自己ベスト更新&3番手タイムを記録

イタリア出身で地元ミサノを熟知するバッサーニは、初日に2番手、2日目には自己ベストとなる1分32秒798をマークし、最終総合3番手でテストを締めくくった。2日間で計157周を走行。

路面コンディションは2日目に特に良好となり、予選タイヤ使用時には一発の速さが試される状況。トップ2がサーキットベストを更新する中で、バッサーニはそれに次ぐタイムを叩き出し、今後のレースに向けて明るい材料を手に入れた。

アレックス・ロウズは189周、課題を把握し前進

アレックス・ロウズは2日間で189周を走行。新パーツの検証とマシンの改良に集中した後、最終的に予選タイヤ装着時に1分33秒265のベストを記録。特に2日目は約110周を走破し、大量のデータを収集。リズム構築には課題を感じつつも、コースの一部では高い安定感と強さを示した。

アレックス・ロウズ

「マシンで多くのことを試しました。2日目だけで110周以上走ったので、かなりの作業量でした。良かったものもあれば、そうでないものもありました。ベストラップでは予選タイヤを使って1分33秒2。悪くないタイムです。
ただ、まだ必要なフィーリングが完全に得られていないので、レースウィークエンドまでにすべてをまとめなければいけません。」

「リズムを掴むのが難しい部分もあるので、データをしっかり分析して、前進したいですね。コースの一部ではあと2〜3テンポ足りないと感じますが、他の部分ではかなり強くて安定しています。チームは本当によく働いてくれて、ミサノで走るのも楽しかったです。」

アクセル・バッサーニ

「良い2日間のテストでした。レースウィークに向けて、どの方向性で進むべきかを判断するためにいろいろ試しました。気温も高くて、レース本番も恐らく暑くなると思うので、その意味でも有意義でした。」

「普段、暑いコンディションは僕たちにとって難しいのですが、午後のレースペースも悪くなく、さらに一発のアタックにも集中しました。これは自分の課題でもあるので。フィーリングは悪くありません。すごく速いわけではないですが、遅いとも言えません。だから、良いスタート地点からミサノのレースに臨めると思います。」

ペレ・リバ(アレックス・ロウズのクルーチーフ)

「我々のバイクはまだ開発段階にあり、この2日間は非常に密度の濃いテストになりました。1日目は普段のレースでは試せないシャシー関連に集中。2日目はミサノのレースに向けたベース作りを進めながらも、引き続き多くのアイテムを検証しました。最後はレースタイヤと予選タイヤのテストも行い、方向性を確認。路面温度は50度近くに達しており、これは今後の判断材料としても有益です。」

「アレックスは多くのラップをこなしてくれましたし、2台体制で絶え間なくテストが続いたことを考えると、全員の努力に感謝しています。」

マルセル・デュインカー(アクセル・バッサーニのクルーチーフ)

「シーズン5戦を終えたこのタイミングでのテストは非常に良い判断でした。どこを改善すべきかが明確になってきていたので、それに集中できました。bimotaが必要なパーツをしっかり供給してくれたおかげで、我々のベースマシンを根本から強化することができました。」

「2日目にはアクセルがロングランでも非常に良いスピードを見せ、一発のタイムでも3番手。彼はこの2日間、本当に努力を重ねてくれて、そのポテンシャルを示してくれました。まだ彼の本当の実力は出し切っていないと思います。これからに期待しています。」

(Photo courtesy of BbKRT)