スズキがジョアン・ミルとの2年契約を正式に発表。これでスズキはリンス(22歳)、ミル(20歳)という若手によるチームで来年以降のMotoGPを戦っていくことになります。

スズキ株式会社はジョアン・ミルが2019年、2020年シーズンにアレックス・リンスと共にファクトリーGSX-RRをライディングすることを発表します。ジョアン・ミルは20歳と若く、スペインのマヨルカ島出身です。彼は既にMoto3クラス、Moto2クラスでそのスキルと競争力を発揮しています。スズキとの2年契約によって、ミルはMoto2で1シーズンを過ごした後に最高峰クラスへとデビューすることになります。これでミルは既にスズキと契約を更新しているアレックス・リンスのチームメイトとなります。

ミルは世界選手権に2015年にMoto3クラスでオーストラリアGPでデビュー。そして2016年、2017年に同クラスで走行。まだ学習の時期であるにも関わらず、ミルは2016年に3度の表彰台を獲得、内訳は優勝、2位、3位が1回づつというものでした。しかし彼はその次の年にタイトル争いに加わるためにしっかりと準備が出来ていたのです。そして2017年、ミルはシーズン10勝という強さを発揮、さらに2位を2度、3位を1度獲得し、合計で13回の表彰台を獲得し、1回ポールポジションを獲得しました。この年にミルは合計でなんと341ポイントを獲得。2017年のMoto3タイトルを獲得しました。

Moto2のデビューイヤーとなった今年、ミルは既にル・マンとムジェロで2度の表彰台を獲得(3位を2回)、現在はチャンピオンシップ5位となっています。ジョアン・ミルとの契約は、チームスズキの若き才能を見つけ育てるというフィロソフィーに沿ったものです。リンスは2年間GSX-RRに乗り、さらに2年間の契約によってスズキのMotoGPプロジェクトの先鋒を務めることとなります。またリンスの経験が若きミルにとっても大きな助けとなり、チームと共に、マシン、MotoGPクラスに関しての理解を深めることが出来るでしょう。

プロジェクトリーダー 佐原 伸一

「チームとして常に長期間の開発計画を考えていて、その中には将来のための投資と思える若い才能にかけるということも含まれています。これは2015年にも行い、リンスがMotoGPクラスにデビューした2017年にも行いました。リンスは契約を更新していますが、さらにジョアン・ミルと契約を行いました。彼もまた若き才能で、彼が育っていくのを見ることが楽しみですし、彼がGSX-RRを進化させ、チームと共に育つことを願っています。彼は現在Moto2クラスにおりますが、我々はまず彼にはMoto2クラスを存分に楽しんでもらいたいと思っています。しかし彼と共に作業を続け、彼が最高峰クラスにデビューするのを楽しみにしています。彼の才能を信じています。」

ダヴィデ・ブリビオ

「ジョアン・ミルは20歳ですが、既に世界選手権で昨年10勝しており、既にいくつかのスキルを証明しています。彼は激しい選手でウィットに富み、いいやつで、スピードがあります。これらはスズキが若きライダーに求めているものです。単にMotoGPクラスのファクトリーマシンに乗りたいというだけではなく、我々のレーシングプロジェクトを信じてくれる選手を求めているんです。
彼と話す中で、いかに彼が明確なマインドを持っており、彼がいかにスズキのプロジェクトを好きなのか、そしてそこに加わりたがっているのかがわかりました。彼の加入は我々を実に力づけてくれます。もちろん彼が成長するには時間が必要なこと、そしてスズキと共に成長していく必要があることはわかっています。しかしスズキは彼の才能を全くもって信じています。スズキの経営陣も、若き才能を獲得していくというフィロソフィーを推してくれました。ジョアンであればこのプロジェクトの理念に最適です。アレックスとジョアンという2人の才能に溢れたライダー達と共に、将来的に強いチームを作っていくということがスズキの目標です。」

(Source: suzuki-racing)

(Photo courtesy of suzuki-racing)