ロマーノ・フェナティがサンマリノGPの決勝レースにおいてステファノ・マンツィのフロントブレーキを握ったことで失格、その後2レース出場停止処分を受けました。2レース出場停止処分はあまりにも処罰が軽いとパドック内外から批判が殺到していたわけですが、月曜にロマーノ・フェナティが所属するMarinelli Snipers Teamは、2018年シーズン中のロマーノ・フェナティとの契約解消を発表。また2019年に彼が所属することが決まっていたMVアグスタ – フォワード・レーシングは彼との契約破棄を発表しました。

ロマーノ・フェナティは「自分の行為は正当化出来るものではないが、マンツィが自分にやった事が危険なんだと理解して欲しかった」と語っていますが、いかなる理由があれど、ライバルの命を危険に晒す行為は許されるものではありません。まだ22歳と若い彼ですが、今期のチームとの契約が解消され、来季の契約も白紙となったフェナティが、今後ロードレース界でそのキャリアを続けられる可能性は極めて低いでしょう。

MVアグスタCEO ジョバンニ・カスティリオーニ

長年このスポーツを見てきましたが、これほど危険な行為は見たことがありません。このような行為をするライダーは、MVアグスタの企業価値、ブランドを体現することはけして出来ないでしょう。こうした理由からMVアグスタは世界選手権への復帰に際し、彼をライダーとして迎えたいと思いません。

 

フォワード・レーシング ジョバンニ・クザーリ

「ロマーノ・フェナティとステファノ・マンツィの事件の後、2019年シーズンにロマーノ・フェナティと戦うことは不可能となりました。彼の行為はフォワード・レーシングチーム、MVアグスタのスポーツ精神とはそぐわないものです。そのため残念ながら、我々はロマーノ・フェナティとのプロジェクトをキャンセルせざるを得ません。我々のやっているスポーツは既に危険なものです。そしてライダーのリスクを増大させるような行為を受け入れることは出来ません。我々の将来のライダーが、このような種類の行為をすることは、到底受け入れることが出来ないんです。」

 

ロマーノ・フェナティ

「このスポーツに関わる全ての方に謝罪したいと思います。今朝落ち着いて考え、あれが悪夢であれば良かったのにと思います。あの瞬間を思い起こすと、あれは本当に恥ずべき行為でした。正気じゃなかったんです。前回のレースでレースディレクションに抗議にいった人間が、あのような挑発的な行為をするべきではありませんでした。自分への批判は当然のもので、自分に対して向けられる憎しみの言葉も理解出来ます。自分を信じてくれた人々に謝罪したいと思いますし、あの行為で傷ついた方々に謝罪をしたいと思います。あの行為に関する自分の写真などが出ていますが、本当に酷いものです。自分を良く知っている人々はわかっていると思いますが、自分はあんな人間ではありません。

「キャリアを通じて自分は常に良いライダーでした。昨年はペナルティーを受けなかった数少ないライダーの1人でしたし、誰かの命を危険に晒したことなどありません。トラック上に危険なライダーがいること、危険なライディングスタイルがあることは常に理解しています。確かに衝動的な性格であることは事実です。相手ライダーを傷つけたかったということではなく、彼に彼がやったことは危険なんだと理解して欲しかっただけで、彼が自分にやってしまったのと同様にミスをしてしまったということなんです。あの行為は正当化出来るものでないことは理解しています。ただ皆に謝罪したいと思います。今はあの行為をゆっくりと振り返り、落ち着いた頭で考えることが出来ています。」