ビニャーレス選手が2勝目、ロッシ選手が2位、クラッチロー選手は3位で昨年のオーストラリアGP以降初の表彰台獲得となったアルゼンチンGP。マルケス選手が圧倒的なペースで逃げるも転倒し、その後同じくターン2でペドロサ選手も転倒。Ducatiファクトリーもロレンソ選手がターン1で転倒。
ドヴィツィオーゾ選手はアレイシ・エスパルガロ選手に突っ込まれてリタイア。サム・ローズ選手もマシントラブルでリタイアとなり、ホンダ、Ducati、Apriliaの3ファクトリーが全滅。スズキもリンス選手が転倒、イアンノーネ選手はジャンプスタートでライドスルーペナルティーと大波乱のレースでした。
そんなアルゼンチンGPについて、上位5選手+序盤圧倒的なペースで走っていたマルケス選手を6選手のタイムを比較してみます。(※本エントリーのグラフはスマートフォンからだと表示されない可能性もあります。PCでお楽しみください。)
まずマルケス選手のタイムを見ていくと、1周目から他の選手より1秒以上速い42秒台でただ一人走っており、ポールポジションを活かしてここで大きなリードを作ったということがわかります。2周目3周目に関しても誰よりも速いペースで走っており、もしも転倒せずにこのままのリズムで走っていたとしたら、間違いなく優勝候補であったと言えるでしょう。
次に優勝したビニャーレス選手を見ると1周目こそマルケス選手に置いて行かれたものの、13周目まではほぼ誰も寄せ付けないペースでレースをリード、その後も39秒台から40秒台前半で安定したペースで走っていた事がわかります。
2位を獲得したロッシ選手は、土曜日までの苦戦が嘘のように素晴らしいペースでクラッチロー選手の後を追っていますが、13周め付近までビニャーレス選手のほうがペースが速かったため、ここで開いてしまった差を詰めきれなかったのだということがわかります。
3位のクラッチロー選手はプレスカンファレンスでも語っていたとおり、ダッシュボードの警告灯がペースを上げると転倒するという状態だったため、ペーストしては少し抑えめにして走っていたようです。ビニャーレス選手、ロッシ選手と比較すると、後半にややペースダウンが見られます。
(Photo courtesy of michelin)
4位を獲得したバウティスタ選手はペトルッチ選手、ドヴィツィオーゾ選手をなかなか抜けなかったせいで、上位3名との差が広がってしまったと語っていました。また同じく、「レース後半は自分のほうが上位3名よりもペースが良かった」という言葉どおり、17周目以降は39秒台、40秒台前半で周回しています。使用しているバイクが、昨年のGP16であることを考えても凄いと言えるでしょう。
5位のザルコ選手はカタールGPで強烈な印象を残しましたが、今回もペドロサ選手、ペトルッチ選手などと真っ向からバトルし、コーナーの進入と立ち上がりの両方でタイヤを激しくスライドさせながらMoto2時代を彷彿させる攻撃的なライディングを披露。タイムに関しては常にバトルをしていたような印象のため上位3名より悪く、4位を獲得したバウティスタ選手が17周目からタイムアップしていったのに対し、17周目からタイムが悪化しています。
次回4/23に開催されるアメリカズGPは、2013年にカレンダーに加わって以来マルケス選手が勝ち続けている、マルケス選手の”ホーム”と呼ばれているテキサス州オースティンにあるCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)での開催となります。