シルバーストーンではレースをリードする中で走りをリンスに研究されて最後に抜かれたマルケス。今回はファビオ・クアルタラロの後ろにつけて最終ラップでアタックを仕掛けて優勝を手にした。一見楽に走っているようだが、肘を使うなどして何度も転倒をセーブしていたようだ。

マルク・マルケス

「もちろん優勝は嬉しいんですが、今日のベストライダーはファビオ・クアルタラロでしょう。彼は今日レースをずっとリードして素晴らしい走りを披露しました。自分は彼の後ろで周回をこなし、最終ラップでアタックをしかけました。」

「今日はシルバーストーンから戦略を変えました。シルバーストーンはああいった戦略を選んだんですが、チャンピオンシップにおける状況が戦略を決定することがあるんです。今日はフロントで走るだけのペースがありませんでした。ファビオ・クアルタラロがプッシュしていた4〜6周目はリスクを冒しながらも彼についていくことが出来ました。」

「マーべリックが2.8秒ほどの差から追いついてきた時に、リスクをとってフロントで走行しようと考えました。リンスも転倒しましたし、ドヴィツィオーゾが6位というのもスクリーンで見て把握していました。ファビオ・クアルタラロが前にいましたが、彼が素晴らしいラップで走行していたので彼についていって、最後にアタックしようと思ったんです。」

「今日は上位がヤマハのバイクによって独占されていますが、こういった状況でも優勝することが出来ました。ファビオは今年ルーキーですが、彼が優勝出来る実力があり、優勝出来るマインド、そして走りが出来ると思っていました。来年はチャンピオンシップ争いにおける強力なライバルになるでしょうね。

「昨日の出来事で感情的になっていたので、チームが自分を落ち着かせてチャンピオンシップに集中させてくれました。過去2戦の最終ラップでの負け方はライダーとしては面白い負け方ではありません。今日もファビオのほうが早いのだからと言って2位でレースを終えるほうが簡単でした。でもそれは自分のやり方ではありません。今日は最後にアタックするだけの自信もありました。これでまた最終ラップで負けたとしたらなにか言われるのでしょうけど、気にせずアタックしました。」

昨日の出来事に関しては、あれで自分の闘争心に火が付きました。マイクでの舌戦では自分が負けてしまいますが、最終的に多くの物事語るのはトラックにおける結果です。自分にとって本当の戦いはトラック上の出来事のみなんです。

「ファビオの走りは本当に正確です。他のヤマハには簡単についていくことが出来るんですけどね。特に彼の高速コーナーは絶品で、ターン11での彼はとてつもなく速いんです。こうした理由もあってセクター3の前に彼を抜いておきたいと思っていました。」

「ターン11の直前に彼を抜いたとしたら負けると思っていたんです。重要なのはオーストリアではDucati、シルバーストーンではスズキ、ここではヤマハが速かったわけですが、自分達もスピードを発揮出来たことが一番重要なんです。」

「自分もまだ弱点はあって改善を続けています。カメラには映っていませんが今日も何度か転倒をセーブしています。自分の場合肘を使うなどして転倒をセーブすることが出来ていますが、他のライダーの場合はそのまま転倒してしまっているんだと思います。

「自分はこうやってセーブが出来るので常に100%でプッシュを続けることが出来るんですよ。ホンダもバイクを良くするために努力してくれていますが、重要なのはクラッチロー、ロレンソ、自分のコメントは共通しているってことです。ヤマハ、スズキもレースごとに改善を続けていますが、MotoGPではバイクでなく、ライダーの力量が結果に現れるスポーツなんです。

(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)