複数本でお届けしているヤマハのモーターレーシング・マネージングディレクターであるリン・ジャービスの2019年シーズン振り返り。最後の1本は、今季ヤマハに唯一優勝をもたらしたマーべリック・ビニャーレスについて。ルーキーのファビオ・クアルタラロに関して来年以降大きな期待が出来るわけだが、リン・ジャービスは2021年以降もマーべリック・ビニャーレスをヤマハに留めておきたいと明言する。

ビニャーレスは新しいチームで結果を出した

リン・ジャービス

「マーべリック・ビニャーレスの場合、今年の前半は5戦〜6戦で苦戦しましたが、対象的にバレンティーノ・ロッシは2位表彰台を獲得するなど好調でした。オースティンでは優勝する可能性もありましたしね。マーべリックは方向性を見失ったとは言え、チームの体制変更でエステバン・ガルシアをクルーチーフに、フリアン・シモンをライダーパフォーマンスアナリストにしたのが良かったですね。

「これでチームが噛み合ってマーべリックも自分のバイクのセットアップを自分で決めることが出来、前進することが出来ました。彼がレースでのパフォーマンスを向上し結果を改善したのもそうですが、彼のスタートが改善したのにはホッとしました。今までは良い位置からスタートしても、序盤数周で後退してしまうレースが多かったですから。マーべリック自身もテクニック、ライディングスタイルを改善出来ています。」

マーべリックは自分自身がホームだと感じられる環境が必要なライダーです。皆が彼のために働いていると思える環境が必要なんです。ラモン・フォルカダは素晴らしいクルーチーフで、ウィルコ・ズィーレンベルグは優れたアナリストでしたが、マーべリックにとって心地よいチームではなかったんです。」

2021年以降もビニャーレスにはヤマハで走ってもらいたい

「マーべリックが前半苦戦する中でファビオ・クアルタラロが前を走っていたというのは彼にとって大きなフラストレーションだったでしょうし、モチベーションだったでしょう。”自分こそがヤマハでトップライダーなんだ!”という思いがあるでしょうから。マーべリックはヤマハファクトリーの中でも明確な立ち位置を確保しています。今年ヤマハに唯一優勝をもたらしてくれたライダーでもありますしね。2021年以降もヤマハで走ってもらいたいと思っています。

(Source: yamaha-racing)

(Photo courtesy of michelin)