シェイクダウンテストでは現役時代の予選タイムと遜色ないタイムを記録したホルへ・ロレンソだったが、約3年ぶりに戻ったヤマハで早くも家のような快適さを感じ、ここ1年半ほど感じていなかった喜びを感じたという。

マーべリック・ビニャーレス、バレンティーノ・ロッシの両名は、現役MotoGPライダー同様のスピードで走行しテストが出来るホルへ・ロレンソのテストライダー就任について、開発に関して大きな助けになると語る。


ホルへ・ロレンソ

ここ数年感じることがなかった喜びを感じた

ホルへ・ロレンソ

こうして家と呼べる場所に戻ってこれたことが嬉しいですね。ヤマハでは9年間を過ごしたチームですし、自分が唯一世界タイトルを獲得したチームです。それに3日間のシェイクダウンの中で、再び快適さを感じることが出来ました。ヤマハが再びワールドタイトルを獲得出来るよう、自分が出来ることを最大限の力でやっていきたいと思います。

「ホンダのアルベルト・プーチは非常に頭の良い素晴らしい人物で、ホンダにいる間はしっかりとサポートしてもらいました。自分がヤマハテストライダーになることに関して、ホンダが障壁とならないようにしてくれたことが嬉しかったですね。実際の契約上は今年彼らはそうした権利を有していたわけですからね。

引退した時考えていたのは、完全に引退するというものでした。18年間レースの現場で常に優勝することにフルコミットしてきました。今は人生の新しいステージだと思っています。しかしこうして再びヤマハのバイクで走ることが出来て感じたのは、ここ数年感じることがなかった喜びでした。

「最近ライダーとして本当の意味で喜びを感じたのは2018年に達成した3勝でした。しかし怪我のせいもあって、ここ1年半はこうした喜びを感じることが出来ずにいました。ですからこの3日間は本当に嬉しかったですね。昨年バレンシアでは99%レースに戻ってくることは無いだろうと話しましたけど、今は98%くらいという感じでしょうか(笑)

「他のバイクに関して簡単に言い表すとすると、Ducatiは外から見てわかるように非常にパワフルなバイクです。ホンダに関しては昨年苦戦したバイクですが、実にアジャイルなハンドリングを持ったバイクでした。ヤマハに関してはとてもスムーズで、ライディングスタイルがスムーズであれば乗りやすいバイクですね。」
ホルへ・ロレンソ

ホルヘがいた時のM1は最高のバイクだった

マーべリック・ビニャーレス

「ホルヘがヤマハにいることは実にポジティブですね。住んでいる場所も近く、同じ言語を話すことが出来、キャラクターも似ていますから作業がしやすいでしょう。彼はM1でチャンピオンになっているライダーですから、どうしたらM1でチャンピオンになれるかを理解しています。

「ここ最近のヤマハは1つもタイトルを獲得出来ていませんから、ホルヘから何が必要かというアドバイスを貰うことが出来るのは重要なことです。ホルヘがいた時のM1は最高のバイクでした。彼は開発ライダーとしても、どうすれば良いバイクを作ることが出来るか把握しているはずです。こういった部分でも彼の力を借りてバイクを改善していきたいと思っています。」

リン・ジャービスとヤマハをホルヘ獲得に向けてプッシュした

バレンティーノ・ロッシ

ホルヘがヤマハにいてくれるのは本当に大きなプラスです。リン・ジャービス、そしてヤマハに対してホルヘを口説くようプッシュしたんです。昨年末はホンダで苦戦していたわけですから、彼を採用することについて肯定的に考えていない人もいたでしょう。でもそういう人達に”ホルヘはM1に乗れば競争力を発揮する”と言い続けてきました。そして彼はそれを既にシェイクダウンで証明しました。」

「今のMotoGPにおいては、重要なデータを収集出来るテストチームが不可欠になってきています。しかしそれは同時に現役のGPライダーと同じラップタイムで走行出来るテストライダーが必要ということなんです。ホルへ・ロレンソがヤマハに来たことで、短い時間の中でバイクの開発を進めるという意味で大きな力になってくれると確信しています。」
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(Source: yamaha-racing)

(Photo courtesy of yamaha-racing)