ドヴィツィオーゾが2021年にMotoGPに参戦しない可能性もある

アンドレア・ドヴィツィオーゾは未だDucatiと契約更新を行っていないが、ドヴィツィオーゾのマネージャーによると、契約合意に至らない場合、2021年に参戦しない可能性もあるという。もう1人のファクトリーライダーとしてはジャック・ミラーであることが既に決定しているが、ドヴィツィオーゾはDucatiと契約金額について合意に至っていないため、契約更新に至っていないと言われている。

ドヴィツィオーゾは2017年、2018年、2019年とマルク・マルケスと唯一チャンピオンシップ争いが出来たライダーであったことは間違いなく、MotoGPクラスのチャンピオンシップランキングにおいても、2017年から3年連続で2位を獲得している。しかし優勝回数を見ていくと、2017年の6回、2018年の4回、2019年の2回と、年を追うごとに優勝回数が減っているのも事実だ。※なお表彰台獲得回数は017年8回、2018年9回、2019年9回と大きな変化はない

しかし新型コロナウイルスの影響で全世界的に景気が後退する中、成績不振もあって減額されたオファー金額を提示しているであろうDucatiと、3年連続でチャンピオンシップ2位の実績から契約金アップを求めているであろうドヴィツィオーゾの溝が埋まっていない。
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
実際問題としてドヴィツィオーゾが2021年にMotoGPに参戦しない場合、現在34歳のドヴィツィオーゾが2022年にシートを確保出来るかどうかは未知数だ。ジャック・ミラーは現在25歳、仮に2021年にミラーが素晴らしい成績を残した場合、2022年時点で年老いた馬となったドヴィツィオーゾにMotoGPチームから声がかかるとは思えない。

こうした事情を考えると、この”2021年に参戦しない可能性もある”という情報自体が、ドヴィツィオーゾ側からDucatiに向けた最後の揺さぶりである可能性は高い。ドヴィツィオーゾを確保しない限り、Ducatiにとってもライダー探しは暗礁に乗り上げるわけで、ドヴィツィオーゾとDucatiは最終的に何らかの形で合意に至ると考えるのが自然だ。

※Ducatiにはホルへ・ロレンソを呼び戻す、ヨハン・ザルコをいきなりファクトリーシートに据えるという選択肢もあるが、可能性は限りなく低いだろう。

ドヴィツィオーゾのマネージャー シモーネ・バティステッラ

「Ducatiとも協力したいと願っていますが、最低限譲れない条件があります。この条件にDucatiが合意が出来ないのであれば、ドヴィツィオーゾは来年デスモセディチに乗ろうと考えていません。他にオプションもありませんから、そうなるとドヴィツィオーゾはMotoGP参戦を一旦休止することになるでしょう。」

ドヴィツィオーゾは引退は考えていません。彼は十分なスピードがあると感じていますし、モチベーションも高いままです。しかしピッタリとハマる場所がない場合、レースから一旦距離を置くことになる場合もあるということです。」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「プロジェクトで考えるとわかりやすいですが、興味があるプロジェクトであれば参加したいと願いますが、もし興味を感じない場合、より良い提案を待つことになるのは自然でしょう。既に2021年のシートは埋まってしまっていますが、ドヴィツィオーゾが満足する解決策を見つけることが出来るでしょう。

(Photo courtesy of michelin)