序盤からトップで走行、見事に3位表彰台を獲得したバレンティーノ・ロッシ。この表彰台は昨年のオースティン以来の表彰台となった。先週のマシントラブル以降、自身のパフォーマンス、来年レースを楽しめるかどうか疑問を抱いていたようだが、今回の表彰台で迷いが払拭されたようだ。後半のマーべリック・ビニャーレスとの一騎打ちでは、コーナーリングスピードに勝るビニャーレス、ブレーキングに勝るロッシという構図でビニャーレスを抑えていたが、今後も表彰台争いをする姿を見せて欲しい。
バレンティーノ・ロッシ

来年、レースを楽しめないんじゃないかと心配になっていた

バレンティーノ・ロッシ

久しぶりの表彰台ですし、ずっと結果が出ない状況が続いていましたので嬉しいですね。今週はアプローチを変えてレースに挑みましたが、チームも素晴らしい仕事をしてくれましたしラップタイムも悪くありませんでした。スタートも良かったんですが、その後のレースは本当に長かったですね。今日こうして表彰台を獲得出来たのはまるで優勝のように嬉しいですね。

2019年後半はフラストレーションがたまるシーズンで、全くスピードを発揮出来ず苦しんできました。今回は別の方向に作業を進めてきました。もちろん自分だけではなくヤマハ内部の政治的な問題(※ヤマハがロッシにファビオ、マーべリックのようなライディングスタイルを要求する)もありますが、そこも含めてギブアップせずに進めてきたんです。もちろん、まだまだ問題はあります。しかし今回のレースは楽しむことが出来ました。特に昨年のヘレスは良いレースではありませんでしたからね。」

バレンティーノ・ロッシ
ヤマハは2018年〜2019年にかけてリアタイヤをセーブ出来るようなバランスの車体にして、序盤は成績が出ていましたが自分にとっては良い改良ではありませんでした。特にコーナーエントリーでのフィーリングが悪くなって、2019年はリアタイヤの摩耗が酷くなりました。自分は長年ヤマハのライダーですし、彼らもまた自分にとって重要です。あまり文句は言ってこなかったんですが、今回結果を出したので、少し文句を言っていこうかなと思います(笑)」

今回スタートは非常に良かったんですが、ファビオについて行くのは難しかったです。彼はリアタイヤに関して全くストレスを与えないシルクのような走り方なんです。後半はマーべリックのほうがペースは速かったものの彼を抑えることが出来ました。その後ペッコのバイクから煙が出た時はマーべリックと共にスローダウンしました。あれがオイルだったら最悪ですからね。」

「先週はマシントラブルでノーポイントで、色々とひどい事を言われましたよ。しかし自分のモチベーションはそんなことでは変わりません。もちろん優勝はしていないのは間違いありませんけどね。ずっと苦しみ続けてレースを楽しむことが出来ていませんでしたし、来年ペトロナス・ヤマハ・SRTから参戦することは決めていますから、レースを楽しめないんじゃないかと心配になっていたんです。ですから今回のレースで表彰台を獲得出来た事、素晴らしい走行が出来たことは嬉しいですね。」

(Source: yamaha-racing)

(Photo courtesy of michelin)