佐原伸一 Team SUZUKI ECSTAR(チーム・スズキ・エクスター)
Team SUZUKI ECSTAR(チーム・スズキ・エクスター)の佐原氏は、2021年シーズン開幕を控えて、チームマネージャー不在の新しいやり方を試していること、急場でチームマネージャーを採用しなかったのは、今の雰囲気を壊したくなかったからだと語る。

また、2021年の目標についてはライダーズ、チーム、コンストラクターズの3冠獲得を狙うと語り、期待されるサテライトチームの組織も進行中であると語った。
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全員で団結してチームを運営している

佐原伸一

チームマネージャーの仕事はシンプルではありません。ダヴィデがしていた仕事は多義に渡りますから、今後どの部分で一番彼がいなくて苦労するかわかりません。しかしチームは優れた人材が沢山いますから、彼の抜けた穴をカバーしてくれると思います。」

「すでに新しいやり方をスタートさせており、今のところ機能しています。チームは今まで以上に団結していますね。ダヴィデはいろいろなメンバーの意見や提案を吸い上げて必要な人に必要なフィルターをかけて渡していました。」

「しかし今はよりダイレクトはコミュニケーションで回っていますから、そういうこともあってチームがより団結したと感じます。皆で難しい状況を乗り越えようとしているんです。」
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スズキ内部の人間がチームマネージャーになるのが理想

「将来的に誰がチームマネージャーになるかわかりませんが、皆によって新しいやり方を通じて仕事の内容を改めて見つめるのは良い機会です。皆素晴らしいスキルを持っています。誰が将来的にチームマネージャーになるかわかりませんが、少なくとも自分では無いでしょう(笑)」

「新しいやり方は一時的なものです。ですが今のところ満足していますね。将来はどうなるかわかりません。皆で協力するやり方で1戦もしていませんから、まずはレースをしてみて必要そうであれば外部から誰かを入れるかもしれません。

「しかし誰が適任なのか、そもそも外部から人材を入れる必要があるのかどうかわかりません。一番望ましいのは、チーム内の誰かをチームマネージャーに昇格させることでですね。シーズン中にどうなるかがわかるでしょう。」

今年はMotoGPで3冠を狙いたい

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「スズキは昨年より強くなろうとしています。自分達をディフェンディングチャンピオンと呼びたくありません。今年もまたタイトル獲得のために戦っていきたいですね。」

「常に目標は優勝です。2019年はアメリカとイギリスで優勝しました。優勝することで経営陣、スズキの社員のレース活動に対する味方が変わったと感じました。今年はタイトルを獲得して挑む1年ですから、1勝、2勝とは全く異なります。毎年目標を設けていますが、今まではタイトル獲得を目指しつつ、実際は年間ランキング2位、3位が目標だったんです。」

2021年の目標は明確で、ライダーズ・ランキングでワン・ツーを狙い、チーム・タイトル、そしてコンストラクターズ・タイトルの3冠を狙います。 難しい目標ですが、挑戦して達成したいと思います。」
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ミルもリンスもタイトル争いが可能

ジョアン・ミール
ジョアン・ミルもアレックス・リンスも素晴らしいライダーでタイトル争いが可能でしょう。2人が強いライダーであることでチームに安定感が生まれ、彼らの性格を理解している我々としても重要なことです。クルーチーフもライダー達をうまく管理することができますし、家族のような関係性を変えたくないんです。」

「ジョアン・ミルとアレックス・リンスの相性について心配は不要です。スズキは、今までもナンバーワン、ナンバーツーのライダーがいませんでした。片方がルーキーだったとしても、扱いは全く同様でした。そしてそれはこれからも変わりません。」
アレックス・リンス
「我々は良い親であり、彼らも互いを尊重し、助け合っています。ダヴィデの代わりに外部の人間を入れなかったのは、こうしたチームの雰囲気を壊さないためです。皆で管理する新しいやり方が、チームの雰囲気を保つ鍵になると思います。」
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サテライトチームについては進行中

アレックス・リンス
「サテライトチームについて、ダヴィデは複数チームと話を進めていました。私も関わっていましたが、ダヴィデがいなくなったので忙しいですね。サテライトチームの構築の半分はトラック上で各チームと話すこと、そしてもう半分はファクトリーと話を進めることです。」

「いずれにしてもしっかりとコントロールして進めていかねばなりません。けして諦めませんが、ダヴィデがいなくなってしまったことで状況は難しいです。しかし歩みは止めません。ゆっくりではありますが、進行はしています。
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小さな変更が大きな違いを生み出すことがある

シルヴァン・ギュントーリ「2020年のGSX-RRは究極のハンドリングのバイク」
「GSX-RRの開発は、短期的、長期的に行っています。スズキはバイクの改善をするために一歩一歩進むやり方です。時には小さな変更が大きな違いになることがあります。ですから、開発に関しては慎重に進めることが必要なんです。」

私たちは常にバイクの基本的なコンポーネントを改善しようとしています。確実に改善しなければならないのは予選タイムですが、優先順位は予選結果ではなくレース結果です。ラップタイムを改善し続けるためにも、グリッド最前列または2列目にいる必要があるんです。」
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グリッド上でスズキが最高のバイクであることを願っています。他チームのライダーがスズキのバイクを試してみたら面白いでしょうが、それは不可能です。ジョアン・ミルは2年目に大きく成長しましたし、ジョアン・ミルとリンスがいなければ、昨年はこんなに素晴らしい結果を得ることは出来なかったでしょう。」

「簡単なことは何一つないのですが、ライダー達もバイクに満足することはありません。しかしこれは我々にも、他のメーカーであっても当たり前のことです。ライダーもバイクも常に改善を続けることが必要なんです。
ジョアン・ミル

(Source: suzuki-racing)

(Photo courtesy of michelin, suzuki-racing)