なんとしても、KTMとレッドブルのホームレースのオーストリアGPで結果を出したいと考えたブラッド・ビンダーは、ピットインして表彰台争いをするよりは、転倒のリスクを冒して優勝を目指したと語る。冷えてグリップしなくなったスリックタイヤもさる事ながら、同様に冷えて効かなくなったカーボンブレーキでの走行が恐ろしかったと語る。[adchord]
リスクを冒して転倒するほうがいいと思った
ブラッド・ビンダー
「皆がピットに戻るのを見てこれはチャンスだと思いました。トップ5で終わるよりは、リスクを冒して転倒するほうがいいと思ったんです。KTM、レッドブルにとって重要なレースですからね。Moto2でも達成していますが、MotoGPクラスでも優勝出来たら最高だと思ったんですよ。大きなギャンブルでしたけど報われましたね。」
「なんとか最後まで走りきることが出来ました。一番の問題はカーボンブレーキで、温度が下がったことで全く効かなくなってしまい、合わせてリアタイヤが完全に冷えてしまったことでスロットルも開けることが出来なくなってしまいました。何度かコースアウトしましたけど、なんとかバイクを転倒させずゴールすることが出来ました。」
「最終ラップが一番難しかったですね。後ろとは9秒差があることがわかっていました。しかし濡れた路面をスリックで走行していて、ウェットタイヤのライバル相手では十分な差ではありません。後ろに来る選手のタイヤが何であるかわかっていませんでしたし、とにかく夢中でした。」
「父の大好きな言葉でもありますが、運命の女神は勇者に味方すると言いますし、弟も似たコンディションで走行する中で、ウェットでのスリックタイヤのグリップは悪くないと話していました。弟の話が今日の決断の一因でもありますが嬉しいですね。前回の優勝がいつだったか覚えていないくらいですし、なんとしても今日は優勝したいと思っていました。もしピットインしていたら、表彰台も獲得出来ていたかわかりません。」
(Photo courtesy of michelin)