今週末からのレースに向けて、ホンダ陣営は様々な手法でバイクの改善を図ってきている印象だ。しかし、現時点では昨年に続き完成度の高いDucati相手に真っ向勝負を挑むことは難しいとマルク・マルケスは語る。フィジカル自体は昨年より明らかに100%に近い状態で迎える開幕戦となるが、肝心のバイクはマルク本人ほどに仕上がっているとは言い難い状況だ。シーズン前半でどこまでライバルに近づくことが出来るのか、それとも2024年を見据えた1年とするのかなど、2023年をどのように使っていくのかは、ホンダの大きな課題と言える。[adchord]

今、この瞬間にタイトル候補であるとは言えない

マルク・マルケス

「多くのことをテストした忙しいテスト期間でした。テクニカルディレクターが変わったり、コンセプト面でも多くのテストを実施してきたんです。しっかりとテストをするという意味でテストが出来たのはポルトガルテストの最終日だけでした。こういった状況ですからトップライダー達との差は大きいですし、現時点で今週末に表彰台を考えられる状況ではありません。しかしシーズンは長いですから、自分自身の改善もそうですし、ホンダも改善を進めてくれるでしょう。」

「ポルトガル最終日では徐々にトップ選手に接近していきましたが、特にDucatiライダーと比較するとシングルラップのペースは大きく劣っています。レースウィークがどうなるかわかりませんが、最初の3戦、4戦と戦う中でトップポジションを戦うために必要なものが見えてくるでしょう。少しでも差を縮めるために作業を続けるしかありません。」

「Ducatiが強力なパッケージであることは間違いありませんし、ペッコがDucati内でもスピードを持っていることは間違いありません。ですからDucatiに対して遅れを取っているだけでなく、ペッコに対しては遥かに離されているんです。ホンダに関しては昨年同様に改善が必要な部分に取り組んでいますが、どうやったらトップ選手達に接近出来るかを考えていくことになります。」[adchord]

「Kalexのスイングアームはミサノでテストしていますが、シャーシについては特に何も聞かされていません。いずれにしてもいろいろなエリアで改善作業を続けていくことが必要になります。特に今年は予選で2つのレースのグリッドが決まりますから、予選の順位が今まで以上に重要になってきます。」

「過去3年間ホンダ、自分共にベストと言える状況ではありません。そういったこともあって今年、今この瞬間にはタイトル候補ではないわけです。共にこのプロジェクトを将来に向けて前進させていく必要があります。しかし、未だに野望としては2013年と同じでこの世界でトップに立ちたいと思っています。このプロジェクト、ホンダを信じていますし、チャンピオンシップは非常に長いんです。昨年のペッコも良くない状況からスタートして、ポイントを重ねていきましたから。」

(Photo courtesy of michelin)