雨の中でリスクを取って優勝

マルク・マルケスは、予選9位からのスタートにもかかわらず、リスクを取って雨のレースを制した。彼はスタート直後に不利な状況にあったが、雨が降り始めたタイミングでアタックを仕掛け、一周で5人を抜いてリードを奪った。「ベストラップを出せたのは驚きだったが、レースは流れるように進んだ。今回の勝利はグレシーニファミリー、特にファウストに捧げたい」と喜びを語った。

マルク・マルケス

「今週末はペースがあるとわかっていましたが、予選で9位という状態でしたから、自分とエネア・バスティアニーニはスタート直後は大きなハンデがある状況でした。しかし雨が降り出した状況でリスクを取ってアタックをかけていきました。1周で5人のライダーを抜いたでしょうか。それでレースをリードすることたできました。しかし後半にベストラップを記録できたのは驚きました。流れるようにレースをリードできました。優勝は本当に嬉しいですし、この勝利はグレシーニファミリーに捧げるものです。特にファウストにこの優勝を捧げたいと思います。」

「マルティンのピットインタイミング以降も同様に雨が降り続けば、あのピットインは正解だったでしょう。でも自分は地元の選手達の選択に従ったんです。イタリア人ライダー達が走行を続けるならばついていこうと思っていました。」

「予選で失敗した時点で表彰台を獲得するには、こうしたコンディションが必要でした。自分もエネアもスタート直後にビンダーで詰まってしまい、その数周の間にペッコとマルティンはギャップを作っている状況だったんです。こういう状況であればリスクを取るしかありませんから今日はリスクを取りました。今ままでもこういったコンディションでリスクを取って転倒することもありましたが、今日は転倒せずに済みました。」

「アラゴンの優勝は非常に調子が良くて、週末の間ですでに優勝できる特別な実感がありました。ただ、今回は通常の週末でしたが、常にトップ3、トップ4で走行できていましたが、こういった感覚がなによりも重要なんです。チャンピオンシップ争いをしたいと思っていますが毎週末に雨が期待できるわけではありませんから、引き続き改善を続けていきます。」

「2019年当時と比較するとフィジカル的には今のほうが良くないですね。2019年はほぼ問題はありませんでしたが、現在は自宅含めてレースに備えてかなり準備をしています。その状況でもトップ選手たちと戦うことができてはいます。メンタル面では今は非常にいいです。レッドブルリンク、アラゴンと素晴らしいレースをしてきて、今日はさらにレースをリードできました。アラゴンは元々得意なトラックですが、ここではこうしてレースをリードすることが自信に繋がりました。」

「チャンピオンシップにおけるチャンスはアラゴンよりも良くなっていますけど、ただトップDucatiの選手たちと戦うには、スプリント含めて小さなミスをしないことが重要です。予選も重要ですし、練習走行も重要です。こうした部分の改善が必要です。」

「ライダーとチームの無線コミュニケーションについては役に立つこともあるでしょう。現時点で誰が最速であると行ったこともわかるわけですから。でも最終的にどうするかは走っているライダー自身の意思によるものです。ショーの観点では面白いですが、レースの面白さという意味ではマイナスですね。」

「明日のミサノテストに関しては特に新しいものはありませんので、セットアップの違いをテストしたりといった流れになります。自分の場合は新しいパーツ類のテストをすることなく、次のミサノ戦に備えることになります。」

(Photo courtesy of Gresini)