リッキー・ブラベック、南アフリカ・サファリラリー最終ステージを制す総合3位で表彰台獲得

5月 30, 2025

2025年世界ラリーレイド選手権第3戦、南アフリカ・サファリラリーの最終ステージで、モンスターエナジー・ホンダHRCのリッキー・ブラベックが劇的な勝利を飾った。全長111kmのスペシャルステージで圧倒的なパフォーマンスを披露し、今大会を有終の美で締めくくった。広大な草原地帯を舞台とした最終日は、すべてのホンダライダーがステージ勝利を狙い果敢に攻めた。序盤からブラベックがファステストを記録し、スカイラー・ハウズとエイドリン・ヴァン・ベヴェレンがわずか1秒差で追走。中盤ではダニエル・サンダースやルチアーノ・ベナビデスに一時リードを奪われる展開となったが、終盤に猛烈な追い上げを見せ、最終的に42秒差でステージ優勝を決めた。

この勝利により、ブラベックは総合順位でも3位に浮上し、今大会の表彰台の一角を確保した。一方、ハウズは序盤こそ好走を見せたものの、最終的には5分09秒遅れのステージ6位でフィニッシュ。総合順位は5位となり、惜しくも表彰台には届かなかった。ヴァン・ベヴェレンは、スタート時点でブラベックに25秒差をつけて3位につけていたが、約70km地点でロードブックタブレットに不具合が発生。進行方向を見失い、ナビゲーションに苦しむ中で大きくタイムを失った。結果的にステージ8位、総合でも4位に後退し、表彰台を逃す形となった。

世界ラリーレイド選手権ポイントランキング（第3戦終了時点）

リッキー・ブラベック：53ポイント（総合3位）
エイドリン・ヴァン・ベヴェレン：48ポイント（総合4位）
スカイラー・ハウズ：35ポイント（総合6位）
トシャ・シャレイナ：46ポイント（総合5位、今大会リタイア）

次戦は夏の中断期間を経て、9月22日～28日に開催されるポルトガル・BPアルティメット・ラリーレイド。ホンダHRCチームはさらなる飛躍を目指し、トレーニングとマシン開発に取り組むことになる。

ルーベン・ファリア（ゼネラルマネージャー）

「今日はリッキーがステージ優勝を果たし、良い日だった。ただ、エイドリンのロードブックトラブルと、スカイラーの一部セクションでのタイムロスは残念でした。トシャは初日に転倒、リッキーもマラソンステージでトラブルがあり、エイドリンは今日ナビゲーションで苦しみ、スカイラーも地形に慣れるのに数日かかりました。完璧なラリーではなかったですが、リッキーが表彰台を獲得できたのは良かったです。次はポルトガル戦ですが、トシャの早期回復を願っています。さらに良い結果を目指して取り組んでいきます。」

リッキー・ブラベック

「今日は良い1日でしたし、ラリー全体もとても楽しかったです。草原の高速トラック、コーナー、フェンス、そしてナビゲーションの難しさが入り混じっていて、総合的にフィニッシュできて嬉しいです。今日は特にプッシュしました。距離は111kmと短かったですが、草と木が続くISDEシックスデイズスタイルで難易度が高かったです。大きくプッシュして、タイムを取り返すことができました。ただ、総合2位にはあと1分足りなかったので、今回は3位で納得するしかありません。次戦ではさらに上を目指します。」

スカイラー・ハウズ

「サファリラリーを完走できて良かったです。とても楽しいイベントで、南アフリカでの初体験として素晴らしいものでした。運営の皆さんが多大な努力をしてくれましたし、チームもメカニックのマリオも素晴らしい仕事をしてくれました。最初の数ステージでタイムを稼げなかったのが響きましたが、最後の数日は良い走りができました。これからトレーニングキャンプでフィジカルやスピード、バイクの性能向上に取り組みます。夏は忙しくなりますが、ポルトガル、モロッコ、そしてダカールに向けて準備していきます。」

エイドリン・ヴァン・ベヴェレン

「今日は厳しい一日でした。序盤はアタックして、バイクの感触も良く自信がありましたが、約70km地点でロードブックタブレットがフリーズし、赤いバツ印が表示されました。どうやって直すか分からず、草が多くてトラックも見えなかったため、どこへ行けば良いか分からなくなりました。一度止まって、最終的にタブレットが復旧したので再スタートしましたが、大きなタイムロスでした。これもラリーの一部と受け入れるしかなく、次戦に向けて前を向いていきます。」