2025年7月30日、グランプリ・コミッション(GPC)は、2027年からMotoGPを含む全グランプリクラスにおいて燃料を100%非化石由来とすることを正式に発表した。これにより、現行の原油精製を基にした燃料からの完全移行が実現される。
非化石燃料の起源を検証する手段として、C14テスト(炭素同位体比分析)が採用される。この検査は、化石燃料に含まれない短寿命の炭素同位体「C14」の割合を測定し、大気中の標準的なレベルと比較することで、サンプル燃料が非化石起源であるかどうかを科学的に証明する。

2027年以降のMotoGP燃料は、次のいずれかの方法で得られるものに限定される
- バイオ燃料(バイオ由来の資源から生成された燃料)
- e-フューエル(大気中のCO2を直接捕集して生成された合成燃料)
これらの燃料は、燃焼時に排出される炭素量が、燃料生成過程で事前に大気中から取り込まれた分と等しくなるため、理論上はカーボンニュートラルとなる。
MotoGPではすでに2024年から燃料に40%以上の非化石成分を義務付けており、今回の発表はその段階的な移行の最終ステップにあたる。完全な非化石燃料への移行は、モータースポーツにおける持続可能性を大きく前進させる画期的な決定である。
この新基準により、MotoGPは環境負荷を軽減しながらも、最先端のパフォーマンスを維持する持続可能なレースシリーズへの転換を目指していく。