MotoGPは2027年から、アルゼンチンGPの開催地をブエノスアイレス郊外に位置するオスカー・イ・フアン・ガルベス・サーキットへ移転することを正式発表した。2026年は開催を見送り、1年の空白を挟んだうえで、伝統ある首都開催が実現する。

ガルベスが再び世界の舞台に:完全リニューアルで国際基準へ

かつて1960年代、80年代、90年代に世界選手権を開催した歴史あるガルベス・サーキットが、完全な改修を経てMotoGPに復帰する。コースレイアウト、ピット、パドック、安全区域の再整備が2025年10月より本格的に開始され、最新技術が導入される予定だ。地元政府は15万人の観客動員を見込み、200以上の国と地域に向けて中継される“世界基準のイベント”として、国際的な都市ブランド強化を狙う。

ブエノスアイレス市政府長官 ホルヘ・マクリ

「我々の都市は世界的なスポーツ都市としての地位をさらに確立していきます。MotoGPという世界最高峰の2輪レースがガルベスに帰ってきます。10度のGP開催経験を持つこのサーキットは、約30年ぶりに世界有数の舞台として返り咲きます。」

「サーキットの全面改修は10月から始まり、インフラ・安全性・物流・通信のすべてにおいて国際水準に引き上げます。世界のトップチームとライダーが集結するこのイベントは、観客15万人、そして全世界数千万の視聴者に向けて発信されることになります。」

Grupo OSD代表 オルリー・テラノバ

「2027年からMotoGPがガルベスで開催される意義は極めて大きいです。これはブエノスアイレスという都市にとってもアルゼンチンという国にとっても、大きな経済効果と観光促進をもたらすでしょう。他国の首都も争奪戦を繰り広げる中、我々が勝ち取ったことは誇るべき成果です。」

ドルナCEO エスペレータ

「アルゼンチン、そしてラテンアメリカのファンにとって素晴らしいニュースです。ガルベスは歴史と情熱に満ちた会場であり、ブエノスアイレスの中心に近い立地は、国や大陸にとどまらず世界的にも重要な開催地となるでしょう。アルゼンチンGPの観客は常に情熱的で、遠方からも駆けつけてくれます。そんな彼らに2027年の再会の場所を伝えられることを嬉しく思います。」

開催地変更の背景

これまでの開催地テルマス・デ・リオ・オンドからの移転は、施設の老朽化と新たな都市戦略が背景にある。都市近郊のアクセス性や観光資源、経済的効果を最大限活用することを目的に、開催地は再びガルベスへ。南米唯一のMotoGP開催国として、アルゼンチンは再びその存在感を強調することになる。