2025年MotoGP第17戦・日本GPに向けて、ホンダHRCカストロールは母国開催での躍進を誓う。新カラーリングを日本のファンに初披露する舞台となるモビリティリゾートもてぎは、ホンダが1997年に建設したテストトラックであり、チームにとって特別な意味を持つサーキットだ。
全長4.8kmのこのコースは、MotoGPカレンダーの中でも屈指のブレーキングポイントが存在し、バイクのリアタイヤが浮くほどの減速が求められるテクニカルなレイアウト。2004年から日本GPの開催地となり、数々のホンダライダーがここで勝利やタイトルを獲得してきた歴史がある。
マリーニ、トップ10と“ホンダ最速”を狙う
ルカ・マリーニは怪我から復帰後、着実にスピードを取り戻し、ランキングトップ10入りを視野に入れている。現在は117ポイントのヨハン・ザルコとの差を33ポイントまで縮めており、残り6戦で“ホンダ勢トップ”の座も現実味を帯びてきた。昨年の日本GPでは14位に終わったが、今年はそれ以上の結果を狙う。過去1年でホンダHRCのエンジニアたちが進めてきた開発の成果は、マリーニの成長によって明確に現れている。
ルカ・マリーニ
「ホンダのホームグランプリに良い流れで入ることができて、自分自身とても楽しみにしています。日本のファンはホンダ加入以降、ますます温かく迎えてくれていて、自分にとって特別な場所です。HRC本社のスタッフとも直接会って、成果を共有したり今後の方向性を話せる機会でもあります。もてぎは天候が変わりやすいですが、今年は暖かくなりそうなので楽しみです。」
ミル、得意のもてぎで復調を目指す
2020年MotoGP王者のジョアン・ミルは、首の負傷からの回復に集中した1週間を経て、もてぎでの巻き返しを狙う。もてぎはミルのライディングスタイルやRC213Vの特性と相性が良く、潜在能力を引き出せる可能性が高い。今季は不運が続いているものの、すでに昨年の倍以上のポイントを獲得しており、着実に前進している。もてぎでの過去最高成績は2019年の8位。
ジョアン・ミル
「もてぎはオン・オフ問わず本当に忙しい週末ですが、その分ホンダのファクトリーライダーであることを実感できるグランプリです。このサーキットは自分のスタイルに合っていて、今のマシンの強みを発揮できると感じています。ミサノのクラッシュで流れを止めてしまったのは悔しいですが、金曜から集中して、アクシデントを避けることが重要です。自分とルカが金曜から速さを出せていることが、エンジニアたちの進化を証明していると思います。さらに数カ所で改善を加えていく必要があります。」
中上貴晶がワイルドカード参戦
また、ホンダHRCテストチームから中上貴晶が今季4度目のMotoGP参戦を果たす。今回が2回目のワイルドカード出場であり、母国GPでの登場となる。