プラマック・ヤマハMotoGPチームは、今週末に開催される第17戦・日本GP(モビリティリゾートもてぎ)に向けて意気込みを新たにしている。前戦サンマリノGPではミゲール・オリベイラが9位、ジャック・ミラーが12位まで挽回する好走を見せ、チームは着実な進化を示した。ヤマハの本拠地である日本でのグランプリに臨む今回、さらなる上位進出が期待される。
ヤマハ本社を訪問、ファンとの交流で士気高まる
初日の水曜日には、両ライダーが磐田市のヤマハ発動機本社を訪問。西田豊士執行役員、鷲見崇宏 モータースポーツ開発部部長らと面会し、技術部門やイノベーションセンター、バーチャル人力飛行機シミュレーター(VSOP)なども体験。多くの社員たちとの交流を通じ、ヤマハファミリーとの絆を再確認した。その後ミラーは東京へ移動し、地元ファンとのイベントにも参加。8耐表彰台の記憶も新しく、日本のモーターサイクルカルチャーとの結びつきを深めた。
ブレーキング重視のもてぎ、YZR-M1の武器が活きる
全長4.801kmのもてぎサーキットは、14のコーナーの大半が2速以下でのタイトターン。中でも第1コーナーと第11コーナーは、Bremboが難易度「6」と認定する過酷なブレーキングポイントで、制動時間や減速距離はMotoGP随一だ。ここでは、標準の320mmディスクに代わり、355mmもしくは340mmのカーボン冷却ディスクが投入される。YZR-M1の長所である安定したブレーキング性能は、こうした“ストップ・アンド・ゴー”の特性に合致しており、プラマック・ヤマハにとって追い風となる可能性がある。
過去実績に自信、両ライダーが前向きなコメント
ジャック・ミラーは2022年にこの地でMotoGPクラス最後の勝利を挙げており、2018年と2023年にはフロントロウも経験。今回も得意のコースでさらなる上位を狙う。ミゲール・オリベイラはMoto2で2位、Moto3で3位表彰台を獲得しており、もてぎとの相性も悪くない。2015年にはMoto3で2番グリッドを確保するなど、単発のスピードにも定評がある。
ジーノ・ボルソイ
「前戦でまずまずの結果を出し、ここもてぎでもう一度挑戦する準備が整いました。ここはヤマハにとって非常に重要な一戦であり、YZR-M1の強みであるブレーキングが活きるコースでもあります。課題は再加速時のトラクションですが、ここ数戦の進化を継続し、日本のファンに良い結果を届けられるよう全力を尽くします。」
ジャック・ミラー
「もてぎに戻って来られて本当に嬉しいです。ヤマハにとって重要なレースなのはもちろん、自分にとっても最後の勝利を挙げた特別な場所です。日本GPが大好きで、ファンの皆さんの情熱には毎回驚かされます。先日の8耐や今日の本社訪問でもそれを再確認しました。このコースは自分の強みを最大限に活かせるので、走り出しが楽しみです。」
ミゲール・オリベイラ
「このレースは、自分にとっても特別です。ヤマハの母国である日本でプラマック・ヤマハの一員として戦えることに誇りを感じます。今日の本社訪問では社員の皆さんから大きな熱意を感じ、それが大きなモチベーションになりました。最近は毎戦確実に前進できているので、その流れをここでも継続したいです。」