MotoGP日本GP決勝は、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)の完璧なレース運びで幕を閉じた。一方で、2位に入ったマルク・マルケス(グレシーニ・レーシング)は、これにより自身7度目となるMotoGPタイトルを獲得。2019年以来、実に6年ぶりの王者返り咲きとなった。3位はホンダで初の決勝レース表彰台を獲得したジョアン・ミルとなった。なお、フランチェスコ・バニャイアは後半エキゾーストから煙を吹きながらの完走となったが、走り切って完全復活を感じさせる優勝となった。
バニャイアがホールショット、マルケスは冷静にレースを展開
スタートで好ダッシュを決めたバニャイアがホールショットを奪取。その後ろにはレッドブルKTMファクトリーレーシングのペドロ・アコスタが続き、マルク・マルケスは3番手をキープ。シャビ・ヴィエルへとルカ・マリーニの不調により後退したホンダ勢にとって、ジョアン・ミルが実質的な表彰台候補となった。序盤からバニャイアは1分44秒4のラップを記録し、リードを拡大。一方、マルケスは3番手を維持しつつも、アコスタを追い詰める展開に。
マリーニがリタイア、ミルが表彰台争いに加わる
ホンダHRCのルカ・マリーニがマシントラブルで早々にリタイア。これにより、ホンダの望みはジョアン・ミルに託されることとなった。ミルは序盤6番手に下がるも、すぐさま4番手に復帰し、マルケスとの差を縮めていった。11周目、マルク・マルケスがターン3でアコスタを攻略し、2位に浮上。その直後からバニャイアに近いペースで周回を重ねる。バニャイアは13周目時点で3.7秒差で独走状態だったが、マルケスも確実にペースを維持してタイトル圏内を固めていった。
ミルがアコスタを抜いて3位浮上、アコスタは後退
ミルはターン7でアコスタのインを突き、3位に浮上。その直後、バニャイアのマシンから白煙が立ち上るが、パフォーマンスには直結せず。バニャイアは冷静にレースを続行し、差を4.1秒まで広げる。しかし、アコスタはその後、マルコ・ベッツェッキ、フランコ・モルビデリにも抜かれ、表彰台圏外へ脱落。さらに1コーナーでミスしてコースアウト、トップ6圏内からも消える結果となった。
バニャイアにマシントラブルも、マルケスは堅実に走行
レース終盤、再びバニャイアのマシンから白煙が確認され、ドゥカティのピットには緊張が走る。しかし、ペースに乱れはなく、依然として2秒前後の差を維持。一方、マルケスは2位を堅守し、ジョアン・ミルの追撃を受けながらも安定した走行を継続。ミルは4位のベッツェッキに2.4秒差をつけて単独3位となり、ホンダに久々の表彰台をもたらす形が現実味を帯びてきた。
歴史的瞬間、マルク・マルケスが7度目の王者に返り咲き
最終ラップ、バニャイアは2秒のリードを守りながらトップで走行。マルク・マルケスは背後を確認するも、誰もいないクリアな視界が広がるのみ。残るはチェッカーまでのわずか数コーナー。4度の手術、4年間の試練を乗り越え、マルク・マルケスがついに頂点に返り咲いた。2019年以来のタイトル獲得であり、負傷によるキャリア危機を完全に克服した形となった。
日本GPのトップ10
4位には昨日のレースをリタイアしたマルコ・ベッツェッキ、5位フランコ・モルビデッリ、6位アレックス・マルケス、7位ラウル・フェルナンデス、8位ファビオ・クアルタラロ、9位ヨハン・ザルコ、10位フェルミン・アルデゲルとなった。