ラズガットリオグルとブレガ、スーパー・ポールレースで接触クラッシュ トプラック・ラズガットリオグルはレース2でタイトルと獲得

2025年シーズン最終戦ヘレスでのティソ・スーパーポールレースにて、トプラック・ラズガットリオグル(ROKiT BMW モトラッド WorldSBK チーム)とニコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – ドゥカティ)がターン5で接触。タイトル決定前日に衝撃的なクラッシュが発生した。

ブレガとラズガットリオグルが接触

タイトル争いが佳境に入る中、スーパーポールレースのターン5で事件は起きた。ラズガットリオグルがわずかにワイドなラインを取って立ち上がろうとした瞬間、イン側からタイトなラインで突っ込んだブレガと接触。ラズガットリオグルはそのままグラベルに滑り出して転倒し、レースを終えることとなった。ブレガは転倒を免れてレースを続行したが、このアクシデントはFIM WorldSBKスチュワードにより審議され、「無責任な走行」によりロングラップペナルティが科された。

チャンピオン決定は日曜日に持ち越し

土曜のレース1でブレガが優勝し、ラズガットリオグルが2位だったことにより、トルコ人王者はスーパーポールレースで7位以内に入ればタイトル確定という状況だった。しかし、接触によりラズガットリオグルはリタイア。タイトルの行方は日曜日のレース2に持ち越された。

ラズガットリオグルが最終レースで王者に

接触の影響により、ラズガットリオグルはレース2を10番グリッドからスタートすることとなった。しかし、冷静にポジションを上げていき、3位表彰台を獲得。3度目のWorldSBKタイトルを獲得し、2026年のMotoGP昇格を前に有終の美を飾った。

トプラック・ラズガットリオグル

「これはレースです。誰もが全力で走っています。ターン5では自分は普段通りのラインを走っていましたが、ブレガは前を見ていなかったと思います。ぶつかってきて、自分は転倒しました。ただ、そのあとは落ち着いて対応しました。レースではこういうことも起きるとわかっていますからね。彼はアグレッシブな走りをしますが、自分から何か言うつもりはありません。自分はやるべきことに集中して、タイトルを獲ること、冷静でいることに徹していました。」

ニコロ・ブレガ

「自分はいつもトプラックをコーナーの中盤でオーバーテイクしています。それが自分のライディングスタイルです。彼はブレーキングが強いので、そこでは抜けません。自分の強みはコーナースピードなので、いつもその形で仕掛けています。昨日も同じコーナーで、同じように抜いていますし、今日もそうでした。不運にもトプラックが転倒してしまいました。ふたりのバトルはいつもアグレッシブで、限界ギリギリの争いでした。このスピードでビッグバイクを扱うのは簡単じゃありません。申し訳ないですが、自分はただ抜こうとして、自分のペースで走ろうとしていただけでした。」

トプラック・ラズガットリオグルは、最終戦でタイトルを獲得し、3度目のWorldSBKチャンピオンに輝いた。スーパーポールでのアクシデントがその陰に隠れがちだが、彼の冷静なレースマネジメントと執念が光った週末だった。一方で、ブレガにとってもアグレッシブなスタイルと勝利への執着が表れたレースであり、両者の強烈な意地がぶつかり合った瞬間だった。2026年、ラズガットリオグルはMotoGPへステップアップする。WorldSBKでの3冠という勲章を携え、新たな舞台での戦いが始まる。