ユニボ・モータースポーツ(UniBo Motorsport)が、2025年モトスチューデント国際大会(MotoStudent International Competition)で3大会連続優勝を果たした。ボローニャ大学の学生たちによって構成されたこのチームは、ドゥカティのエンジニアと連携して開発した電動プロトタイプ「Vega#88」と共に、世界各国から集まった42チームを抑えて表彰台の頂点に立った。
この大会は2年に一度開催されており、今回の2025年大会は10月15日から19日にかけてスペイン・モーターランド・アラゴンで行われた。テストライダーのアレッシオ・アルドロヴァンディが駆るVega#88は、2年間にわたる開発の集大成として圧倒的な存在感を示した。
12月15日朝には、ドゥカティ財団が運営する理科教育施設「Fisica in Moto Powered by Lenovo」にて、本勝利を祝う報告会が開催された。会にはドゥカティCEO兼ドゥカティ財団会長のクラウディオ・ドメニカリ、ボローニャ大学のジョヴァンニ・モラリ学長、ユニボ・モータースポーツのファカルティ・アドバイザーであるニコロ・カヴィーナ、ドゥカティのイノベーション&R&Dサービス部門マネージャーのシモーネ・ディ・ピアッツァらが出席し、プロジェクトの軌跡を振り返った。

ドゥカティCEO クラウディオ・ドメニカリ
「ユニボ・モータースポーツ・チームの3連覇と、長年にわたりボローニャ大学と築いてきた協力関係を非常に誇りに思います。この関係性は、約20年前のドゥカティ財団設立以来、教育の場から多くの若者をドゥカティに迎えるという形で、将来の仲間への投資となっています。モトスチューデント・プロジェクトの成果は、この協業の価値を証明しており、プルタルコスの言葉『学生は注がれる器ではなく、燃やすべき火である』を体現しています」
ボローニャ大学 学長 ジョヴァンニ・モラリ
「この成果は、アルマ・マーテル・ストゥディオルム(ボローニャ大学)とドゥカティによる密接なパートナーシップが生んだ、教育・技術・スポーツの卓越性の結晶です。学術界と産業界の統合によって、イノベーションと実践力、そして明確な成果が生まれています。モトスチューデントは単なる競技ではなく、先進的な設計、プロジェクトマネジメント、テスト、検証、広報を学ぶための極めて優れた実践の場であり、ユニボ・モータースポーツの成果は、我々大学コミュニティ全体の誇りであり、教育の質の高さを物語る重要な指標です」
ユニボ・モータースポーツは、ドゥカティ財団が支援する教育プロジェクトの一環であり、この3連覇は、企業現場に近い環境で学生に実践的な経験を提供するという協働モデルの有効性を証明する結果となった。
この取り組みは、2006年の設立以来、ドゥカティ財団が推進する教育支援活動と文化資産の継承という使命を反映している。中でも「Fisica in Moto Powered by Lenovo」は、毎年多数の高校生を受け入れ、物理学の応用をテーマにした体験型学習の機会を提供している。
さらに、ドゥカティは、学校教育と企業内実習を融合させた2年間の職業教育制度「DESI(Dual Education System Italy)」を通じて、学生の技術力強化と即戦力となる人材育成に取り組んでいる。
加えて、ドゥカティはエミリア・ロマーニャ州の主要大学とモーター企業による協会「MUNER(Motor Valley University of Emilia-Romagna)」の一員として、英語で提供される高度工学国際コースの実施にも積極的に関与している。
このように、ドゥカティにとって「教育」とは、開発の現場を通じた責任ある活動であり、学生たちに実社会の複雑性を経験させることで、モーター・バレーの技術・工学文化の継承と発展に向けた重要な投資と位置づけられている。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。