2026年ダカールラリー第10ステージで、レッドブルKTMファクトリーレーシングは困難な一日を乗り越えながらも、確かな前進を見せた。ルチアーノ・ベナビデスが激戦の中で3位フィニッシュし、総合順位を2位まで押し上げた一方、ダニエル・サンダースは大クラッシュを喫しながらも根性で完走。ルーキーのエドガー・カネットも、他ライダーの救助に尽力しながらもステージ10位で走破した。
ステージ10はマラソンステージ後半にあたり、ライダーたちは僻地の仮設ビバークを出発し、ビシャを目指して移動。368kmに及ぶスペシャルステージは、前半が広大なソフトサンドの砂丘、後半が高速サンドトラックという構成で、極限の集中力が求められた。
ベナビデスは9番手からのスタートを最大限に活かし、序盤からペースを上げてライバルとの差を詰めていった。123km地点まではリードを保っていたが、ソフトサンドに足を取られて約4分をロス。一時はリタイアも脳裏をよぎる事態だったが、数名のライダーが救援に駆けつけ復帰に成功。その後も果敢な攻めを継続し、最終的にステージ3位でフィニッシュ。総合では首位のリッキー・ブラベックに56秒差の2位につけており、残り3ステージでの逆転を視野に入れている。






ルチアーノ・ベナビデス
「今日は本当にタフな一日でした。給油後のミスで砂丘にスタックし、数分を失いました。正直、自分のダカールが終わったと思いました。でも、何人かのライダーが助けてくれて、すごく感謝しています。バイクのフィーリングは悪くなかったので、その後もプッシュを続けることができました。砂丘では色々なことが起きていて、みんなにとって本当に過酷なステージだったと思います。今はしっかり休んで、明日に備えたいです。アプローチは変わりません。毎日全力を尽くして、最後まで戦い続けます」
サンダースはその砂丘区間で猛プッシュを見せ、123km地点で先頭集団に追いついた。しかし大きな砂丘のジャンプ着地で激しくクラッシュ。激痛を抱えながらもKTM 450 RALLYを操り、16位でステージを完走した。チームに戻った後、メディカルチェックを受け、大会続行の許可が下りた。今後の体調は日々評価される予定。
ダニエル・サンダース
「残念ながら負傷してしまい、本当にきつい一日でした。特に砂丘を走りながらレース状況が変わっていくのを感じるのは辛かったです。ただ今は、とにかく走り続けて痛みに耐えながら完走することに集中しています。強い位置にいた中でのこの展開は悔しいですが、自分たちは諦めるタイプではないし、今日フィニッシュできたことは誇りに思っています。痛みは強く、簡単な状況ではないですが、前向きな気持ちで、1日1日集中して最後まで戦い抜きます」
エドガー・カネットはステージ序盤から好調な走りを見せていたが、クラッシュした複数のライダーを救援するために2度の停止。ヘリの到着を待って再出発する展開となった。ロスタイムの補正後、ステージ10位でフィニッシュ。ラリーレイド最高峰の舞台で貴重な経験を積み続けている。
エドガー・カネット
「今日は本当に厳しい一日でした。スタート時は砂丘で良い感触を掴んでいましたが、早い段階でクラッシュしたライダーを見つけて停止し、ヘリが来るまで対応しました。さらに後半でも別の深刻なクラッシュがあり、また停車して救助に入りました。時間は大きく失いましたが、こういった対応はレースの一部ですし、何より人を助けることが最優先です。マラソンステージは技術面でも精神面でも多くを学びました。この厳しい側面を見るのは簡単ではないですが、今後に向けて確実に成長できると感じています」
チームマネージャーのアンドレアス・ヘルツルもサンダースの粘りを称賛し、今後のサポート体制を強化する姿勢を示した。また、ベナビデスのステージ表彰台と総合2位浮上をチームにとって大きな成果と捉えている。
アンドレアス・ヘルツル(ラリーチームマネージャー)
「サンダースは大きな砂丘でのジャンプ着地で激しいクラッシュを喫しましたが、それでもフィニッシュまで持ちこたえたことは本当に称賛に値します。メディカルチームが万全の対応を行い、明日の再スタートが可能となりました。非常にタフな一日でしたが、彼の闘志と精神力は素晴らしかったです。一方でルチアーノは非常に安定した走りを見せ、ステージ3位と総合2位という素晴らしい結果を出してくれました。残りのステージもチーム一丸で戦っていきます」
第11ステージでは、ビシャからアル・ヘナキヤまでの総距離883kmを移動。リエゾン区間537km、スペシャルステージ346kmという構成で、ナビゲーションスキルが問われる長く厳しい一日が続く。

中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。







