2025年FIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)第2戦、アブダビ・デザート・チャレンジでMonster Energy Honda HRCが見事な走りを披露。リッキー・ブラベックが総合2位、トシャ・シャレイナが総合3位に入り、チームとしてダブル表彰台を獲得した。

最終ステージ、Honda勢が猛追!シャレイナがステージ優勝

アブダビの広大な砂丘を駆け抜ける全1,920kmのレースは、最終ステージまで激しい戦いが続いた。総合首位のダニエル・サンダース(KTM)を7分23秒差で追うブラベックは、勝利を狙い果敢にプッシュ。一方でシャレイナも表彰台を狙い、驚異的な走りを見せた。 ステージ5の結果、シャレイナが見事な逆転でステージ優勝を果たし、総合3位に浮上。総合2位のブラベックとはわずか17秒差という僅差の戦いだった。

リッキー・ブラベック(総合2位)

「最終ステージはとにかく全開で攻めました。無事にフィニッシュできて嬉しいですし、次のラウンドに向けて気持ちが高まっています。昨年10月に足を骨折し、ダカールでは万全の状態ではなかったんですが、このアブダビでは回復の成果を感じられました。マシンのセッティングも大きく前進し、良い方向に進んでいますね。」

トシャ・シャレイナ(総合3位、ステージ5優勝)

「昨日の時点でタイム差が僅かだったので、今日は全力でプッシュしたんです。結果、ステージ優勝できましたし、総合3位にも入れたので満足しています。砂丘は得意な地形ではないですし、昨日のステージではオープニングライダーとして時間を失いましたが、これもレースの一部。次戦も全力で挑みます。世界王者を目指すなら、あらゆる地形で速くならなければならないですから。」

エイドリアン・ヴァン・ベヴェレン(総合5位)

「レースを無事に完走できたのは良かったものの、目標としていた結果には届きませんでした。特にプロローグの結果が悪く、初日にオープニングライダーを務めることになったのが響きました。それでも全力は尽くしましたし、次の南アフリカで巻き返したいです。」

スカイラー・ハウズ(総合7位)

「レースを楽しみながら走れましたし、フィニッシュできたことが何より嬉しいです。昨年は怪我に悩まされ、ダカールでもまだ本調子ではありませんでした。今回はサスペンションの調整や自身のフィジカルの確認が主な目的でしたが、確実に前進できています。次戦はさらにコンディションを整えて挑みたいです。」

ルーベン・ファリア(ゼネラルマネージャー)

「2025年アブダビ・デザート・チャレンジが終了し、完璧なラリーとは言えなかったが、多くのポジティブな要素がありました。我々は4人のライダー全員が無事完走しましたし、これは長いシーズンを戦う上で非常に重要です。」

「ブラベックは負傷後の復帰戦として素晴らしい走りを見せ、勝利を争える状態にあることを証明しました。シャレイナも約1か月間バイクに乗れない状態で、それでも総合3位に入ったのは立派でした。ヴァン・ベヴェレンは序盤の遅れが響いたものの、安定した走りを見せたし、ハウズも怪我からの復調が進んでいます。」

「Honda CRF450 RALLYのパフォーマンスも高く、次戦の南アフリカ・サファリ・ラリー(5月18日~24日)に向けて、さらに準備を進めていきます。」

2025年アブダビ・デザート・チャレンジ 最終結果(全5ステージ終了時)

Pos.ライダー国籍チームマシンタイム
1ダニエル・サンダースオーストラリアRed Bull KTMKTM14:20:56
2リッキー・ブラベックアメリカMonster Energy Honda HRCHonda+5:47
3トシャ・シャレイナスペインMonster Energy Honda HRCHonda+6:04
4ルシアーノ・ベナビデスアルゼンチンRed Bull KTMKTM+8:01
5エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンフランスMonster Energy Honda HRCHonda+9:52
6ホセ・イグナシオ・コルネホチリHero MotorsportsHero+12:33
7スカイラー・ハウズアメリカMonster Energy Honda HRCHonda+18:17

2025年FIM世界ラリーレイド選手権(W2RC)ランキング(第2戦終了時)

Pos.ライダー国籍チームポイント
1ダニエル・サンダースオーストラリアKTM63
2トシャ・シャレイナスペインHonda46
3リッキー・ブラベックアメリカHonda37
4エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンフランスHonda35
5ルシアーノ・ベナビデスアルゼンチンKTM33

(Photo courtesy of KTM)