マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)がザクセンリンクで200戦目で圧倒的な勝利を挙げ、MotoGP通算69勝目を記録。レジェンド、ジャコモ・アゴスチーニの勝利数を抜いて史上2位に浮上した。弟のアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)は左手の骨折を抱えながらも見事な走りで2位に入り、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は混乱の中で3位表彰台を確保した。

主導権を握ったマルケス

天候の懸念はあったものの、ドライコンディションで決勝がスタート。マルク・マルケスがホールショットを奪い、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46)が6番グリッドからジャンプアップして3番手に浮上。マルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)は2番手に入り、ヨハン・ザルコ(CASTROLホンダLCR)は5番手まで後退した。

ディ・ジャンアントニオとベッツェッキが序盤で激しい2位争いを展開する中、マルケスは後方の混戦とは無縁の独走態勢へ。3周目終了時点で0.7秒差を築き、その後も1分20秒台の安定したラップを刻み続けた。

アコスタ転倒、KTMの望み消える

5番手を走行していたペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が2コーナーで転倒。KTMにとっての表彰台の可能性はここで潰えた。バニャイアが5番手に浮上し、アレックス・マルケスがベッツェッキに猛追を開始。レース中盤、マルク・マルケスのリードは3秒以上に広がった。

相次ぐ転倒、表彰台争いに波乱

18周目、2位を走っていたディ・ジャンアントニオが1コーナーでフロントを失い転倒。その同じ周、ザルコも同コーナーでクラッシュ。これによりアレックス・マルケスが3位に浮上し、バニャイアは4位に接近。そして20周目、2位のベッツェッキもディ・ジャンアントニオと同様に1コーナーで転倒。マルクが2位アレックスに5.9秒差を築く展開となり、バニャイアが3位に繰り上がった。

ザクセンキング

その後は波乱もなく、マルク・マルケスが9度目のザクセンリンクを制覇。負傷を抱えたアレックス・マルケスが驚異的な粘りで2位に入り、バニャイアは土曜の不調を払拭して3位表彰台を確保した。

4位にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が入り、フェルミン・アルデゲル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が僅差で5位。ルカ・マリーニ(ホンダHRC CASTROL)は6位でHRCに加入して以来のベストリザルトを記録。以下、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTM)が7位、ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)が8位で続いた。

ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGP)とアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が9位、10位に入り、過酷なレースを完走した数少ないライダーたちとなった。

次戦はチェコ・ブルノ

次の舞台はMotoGPに復帰したブルノとなる。マルク・マルケスの勢いを止めるライダーは出てくるのか、また、ホルヘ・マルティンの復活走行も期待だ。