MotoGP第9戦ドイツGPの予選は、土曜日の悪天候にもかかわらず、マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)がポールポジションを獲得した。Q1から勝ち上がったヨハン・ザルコ(CASTROLホンダLCR)が最後まで猛追したが0.151秒届かず。3位はマルコ・ベッツェッキ(アプリリアレーシング)となった。これにより、フロントローにはドゥカティ、ホンダ、アプリリアの3メーカーが並ぶこととなった。


Q1:ザルコ 難コンディションの中で主導権を握る
予選Q1は、FP2で一時現れたドライラインを打ち消すように再び雨が降り出す展開。15分間のセッションは滑りやすい路面との戦いとなった。フランスGPの勝者ザルコは、残り5分で1分28秒370を記録してトップに立つと、そのまま他を寄せ付けずQ2進出を決めた。マーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)が2番手で通過。ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGP)は一時2番手に浮上するも、最終的には3番手でQ2進出を逃した。
Q2:ポール争いは最終ラップへ、激戦の末マルケスが制す
Q2開始直後から波乱が起こる。アウトラップ中のビニャーレスが4コーナーで転倒。さらにジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)も同じ場所で転倒するなど、路面状況はQ1より悪化。
残り8分でマルケスが1分28秒730を記録しQ2の主導権を握る。次の周では「ウォーターフォール」セクションでヒヤリとする場面もあったが、さらに0.4秒タイムを縮めてリードを広げる。一時は1.5秒の差をつけたマルケスに対し、ザルコとベッツェッキが0.8秒差まで迫る。そして残り数分、ザルコはセクター3通過時点でマルケスとの差がわずか0.002秒。フィニッシュでは0.065秒差まで迫ったが届かず。
マルケスもさらにタイムを削り、最終的にはザルコを0.151秒上回ってポールを確定。モルビデリは最後のタイムアタックで2セクター目まで最速だったものの、8コーナーで転倒しポール獲得のチャンスを逃した。これにより、マルケスはキャリア通算73回目のポールポジションを獲得。ザルコ、ベッツェッキがフロントローに並んだ。
2列目の先頭にはモルビデリ。ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、そして左手骨折を抱える中で健闘を見せたアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が続く。3列目にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、金曜最速のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング)、ミラー。4列目はビンダー、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、ビニャーレスが並ぶ。
予選1位 マルク・マルケス
「雨の中でのアタックでしたが、自分としては冷静に走ることができました。Q2の序盤は滑りやすくて難しかったですが、タイヤの温まり方を見極めながらタイミングを合わせることができました。明日のレースはまた別の展開になると思いますが、まずはこの結果に満足しています。」
予選2位 ヨハン・ザルコ
「最後のラップでマルク選手に本当に迫ることができて、自分の中でも良いアタックだったと思います。惜しくもポールは逃しましたが、このコンディションの中では上出来の結果です。決勝でもこの勢いを維持したいです。」
予選3位 マルコ・ベッツェッキ
「難しいコンディションの中でマシンのフィーリングが良く、自分でも驚くくらいスムーズに走れました。フロントロー獲得はチームの努力の結果です。レースではさらに前を狙いたいと思います。」